2018年10月24日(水)

イプシロン3号機打ち上げ成功 技術実証一段落

科学&新技術
2018/1/18 7:02
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、小型ロケット「イプシロン」3号機を内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げた。NECの小型観測衛星「ASNARO―2」を予定通りの軌道に投入し、打ち上げは成功した。必要な技術の実証が終わり、今後は本格運用を見据えたコスト削減策などを検討する。

イプシロンロケットの成功は2013年9月、16年12月に続き3機連続。3号機は衛星を分離する時にかかる衝撃を減らす分離装置や、軌道を細かく調整できる推進装置(PBS)を新たに加えていた。

イプシロンは午前6時6分、予定通り打ち上がった。打ち上げ後約10分で、3段目まで分離。PBSの液体燃料を2回燃焼し、軌道を細かく調整した。約52分後、高度約513キロメートルの軌道にASNARO―2を投入した。

ASNARO―2はレーダーで地表の変化をみる小型衛星。曇天や夜間でも届きやすく、土砂災害の調査に使える。NECが初めて自社所有する衛星で、9月には撮影画像の販売事業に参入する。運用システムや人工衛星をセットにした外販も進める。長く官需に頼ってきた同社にとって、外販にカジを切る大きな転換点となる。

イプシロンはJAXAとIHIが開発してきた小型ロケット。今回の成功で正確な軌道投入をする技術の実証がほぼ終わった。今後は打ち上げ費用30億円を目指したコスト削減を進め、国際競争力を高める。3号機は機体製造と打ち上げの総額で45億円かかった。

超小型衛星を打ち上げるロケットの開発は国内外で盛んで、衛星の受注競争は激しくなっている。ビジネスを展開するには、コスト削減とともに、打ち上げ実績を積み重ねて信頼性を高める必要がある。イプシロンは現状では必要な技術を実証した段階で、さらなる打ち上げ回数の確保が欠かせない。

ただ政府は厳しい財政事情で予算が限られており、次々と打ち上げられる状況ではない。今後10年で10機前後の打ち上げを目指しているが、搭載する衛星は多くが決まっておらず厳しい状況が続いている。

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