2019年7月17日(水)

不況の造船回復の兆し、17年の受注2.5倍 三井造船は稼働率引き上げ

2018/1/17 23:18
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不況が続く造船業界に回復の兆しが見えてきた。17日発表の2017年主要商船受注量は16年比2.5倍に拡大。資源などを運ぶばら積み船を中心に市況は改善傾向にある。18年度中には環境規制強化の対応需要が立ち上がる見通し。三井造船三菱重工業など造船大手は受注環境の好転を追い風に建造体制の強化に乗り出し、中国、韓国勢に対抗する。

三菱重工のドック内で進む船体ブロックの据え付け作業(長崎市)

日本船舶輸出組合の統計によると、17年の受注量は195隻、945万3629総トン。国内主要造船所の年間建造能力である1200万~1300万総トンは下回ったが、歴史的な低水準だった16年(371万総トン)の2.5倍まで持ち直した。

船種別では全体の8割に当たる156隻をばら積み船が占めた。中国で造船所が乱立したことによる船腹過剰が船価の下落を招いたが、淘汰が進み、「17年下期にばら積み船の船価が底を打ち、利益が出る水準にまで戻りつつある」(専業大手社長)状況だという。

三井造船は17年4~9月の船舶受注高が前年同期比35%減の199億円にとどまったが、「足元では新造船の引き合いが強まっている」(三井造船・三宅俊良執行役員)。18年3月期の船舶受注高は前期比5割増の1000億円を見込む。

主力の玉野事業所(岡山県玉野市)では現在、稼働を2割程度落としているが、19年までに少なくとも15隻のばら積み船の建造が控えており、事業所の稼働率を引き上げて対応する。

対照的なのが、17年に12隻の受注にとどまったコンテナ船だ。1万~2万個積み大型コンテナ船では韓国、中国の大手造船会社が仕事量確保のため安値で受注に動くケースが出ており、「大型になればなるほど単価が安くなる逆転現象が起きている」(今治造船・檜垣幸人社長)。大型案件を取り逃がした結果、受注量ベースの世界シェアで中国、韓国勢に水をあけられている。

造船各社が期待を寄せるのは、20年に世界の全海域で強化される排ガスへの硫黄酸化物(SOx)規制。「18年度中にSOx対応の商船の受注が出てくる」(日本造船工業会・加藤泰彦会長)といい、環境技術に強い日本の造船会社に発注が集まると見られている。こうした状況から三菱重工は1日に分社化した「三菱造船」に環境対応船の設計・開発機能を集約。今治造船や大島造船所など専業3社と提携し、環境需要に備える。

ただ、規制に対応した機器・設備の追加コストをどの程度まで船価に織り込めるかは不透明だ。不況を脱するには受注量拡大と同時に収益改善にも取り組む必要がある。

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