訪日客増へ巻き返し 徳島空港、国際線ターミナル21日供用

2018/1/18 1:31
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徳島阿波おどり空港(徳島県松茂町)は、国際線向けの新ターミナルの供用を21日に始める。17日、報道陣向けに施設を公開した。まずは香港、台湾とを結ぶチャーター便で利用する予定。将来的には香港などとの定期便就航を目指す。徳島は訪日外国人(インバウンド)誘致では後れを取っており、巻き返しの起爆剤としたい考え。四国の空港間の競争も激しさを増しそうだ。

税関や検疫など国際線向けの施設を新設した(17日)

総額18億円を投じ、既存のターミナルビルを増築した。増築面積は約2550平方メートル。ボーディングブリッジ(搭乗橋)を1基増設したほか、検疫や入国審査場、税関など国際定期便の就航を見越した施設を新設した。国際線で利用しないときは国内線にも活用する。

まず香港のキャセイドラゴン航空が、21日から3月22日の間に18往復する。香港の旅行会社が訪日客向けに企画するツアーでの利用。県内の観光施設を回るほか、香川や愛媛、関西などの観光地を絡めた様々な商品が企画されているという。

台湾便は、台湾のエバー航空が2月9日と12日にそれぞれ1往復する。台湾からの訪日客を運ぶほか、徳島発のツアー旅行でも利用する。

供用開始時には国際定期便は就航しないが、県は「しっかり視野に入れて対応を進めたい」(飯泉嘉門知事)とする。すでに香港航空から定期便就航の打診があったといい、県の担当者は「調整を進めている」(次世代交通課)と説明する。

空港にほど近い徳島市や鳴門市をはじめとする県東部15市町村などは、18年度中に連携して観光客誘致を目指す「徳島東部地域DMO(観光地経営組織)」を立ち上げる。定期便就航が実現すれば、県内へのインバウンド誘致に追い風となる。

DMO設立を主導している徳島経済研究所の元木秀章上席研究員は「阿波おどりなど文化の側面もアピールして、インバウンドを取り込んでいきたい」と意気込む。

渓谷美や美しい農村風景で知られる、県西部の大歩危・祖谷でも期待が高まる。このエリアで急増しているのが香港や台湾などからの観光客。主要5ホテルで組織する「大歩危・祖谷いってみる会」の植田佳宏会長は「定期便の就航にこぎつけられれば、これまで以上に個人客に来てもらいやすくなる」と期待する。

■国際線誘致、四国内の競争激化も

徳島空港から車で80キロメートル足らずに位置する高松空港。香港便などで競合が見込まれるが、同空港関係者は「四国の盛り上がりにつながればいい」と落ち着いた様子だ。

観光バス事業を手掛ける琴平バス(香川県琴平町)の楠木泰二朗社長は「チャーター便は団体旅行に利用しやすく、現地の旅行会社からツアーバスの運行を受注できる」と波及効果に期待する。

国際線が定期就航していない高知県も「四国周遊のための窓口が増えるので歓迎したい」(交通運輸政策課)と話す。

観光面では四国他県への波及効果がありそうだが、国際線の誘致競争は激しくなりそうだ。4月から民営化する高松空港では、着陸料を四国・瀬戸内エリアで最安値に設定する構想を掲げており、誘致競争の激化に備える。

松山空港(松山市)では、愛媛県が台湾との定期便誘致に取り組んでいる。17年11月に飛ばした直行チャーター便の搭乗率も良く、中村時広知事は「思っていた以上に感触が良い」と手応えを口にする。

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