長野のみすずコーポ、大町市に油揚げ工場 20億円投資

2018/1/18 0:01
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こうや豆腐製造のみすずコーポレーション(長野市)は17日、約20億円を投じて大町市内に油揚げ製造の工場を建設すると発表した。同社全体の生産能力を最大3割超引き上げる。本社敷地内以外での工場新設は初めて。油揚げ関連では小規模事業者の撤退が相次ぎ、同社商品の注文が増えているため、増産投資に踏み切る。景気回復を背景に、県内食品会社の投資が活発化してきた。

工場新設について記者会見するみすずコーポレーションの塚田社長(右)と大町市の牛越市長(17日、大町市内)

同日、大町市役所で塚田裕一社長らが記者会見して明らかにした。新工場「大町アルプス工場(仮称)」は敷地面積が2万895平方メートル、建築面積が4200平方メートル。4月に着工し、2019年7月の工場稼働を目指す。平屋建てにすることで本社工場に比べて生産性も高くなるという。

当面の新工場の生産能力は1日当たり30万枚で、2~3年かけて90万枚まで増やす。新たに40人ほどを雇用し、増産に伴いさらに増やす。

併せて17年秋にいなげや傘下のサンフードジャパン(東京都立川市)から買収した山梨工場(山梨県笛吹市)でも6月から30万枚を生産する。現在は本社工場で350万枚を製造しており、今回の増産体制の整備で全体で480万枚まで引き上げる。今回の増産で「おそらく業界最大手になる」(塚田社長)という。

長野市若里にある本社工場は既にフル稼働で、敷地も手狭になっていた。新工場では今回新設する以外にもう1棟分の用地も確保しており、将来の増産に備える。

塚田社長は大町市への工場新設の理由として「大量の水を使える」ことを挙げた。油揚げの製造には30万枚あたり200トン超の大量の水が必要といい、アルプスの良質で豊富な水源に目を付けた。大町市の牛越徹市長は「水をキーワードにみすずコーポレーションと手を携えて大町市の資源を売り出していきたい」と歓迎の意を示した。工場新設にあたり大町市の補助制度を活用する。

みすずコーポの売上高150億円の7割を占める油揚げ市場は縮小を続ける「構造不況業種」(塚田社長)。それでも増産に踏み切るのは、廃水やおからの処理がネックとなり小規模事業者の廃業が相次いだことで同社のシェアが高まり、関連製品の売上高が18年3月期で前期比16%増(見込み)と伸びているためだ。

県内の食品会社は最近、相次ぎ工場の新設に動いている。ホクトは小諸市にシイタケ工場を建設、マルコメも甘酒工場を新潟県魚沼市に建設する。消費者が健康・高付加価値の製品を重視するなか、企業が顧客の嗜好を踏まえた商品を積極的に投入しているためだ。

長野県も18年度から5年間で食品製造業の出荷額を7700億円と14年度比1割増やす計画を掲げ、商品開発などを後押ししている。

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