2019年5月25日(土)

終末期の治療方針、指針改定案を提示 病院外でのみとりにも活用へ

2018/1/17 11:01 (2018/1/17 11:22更新)
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厚生労働省は17日、終末期の治療方針の決定手順などをまとめたガイドラインの改定案を有識者会議に提示した。患者の意思を尊重するため、延命治療などに関して医師らが患者と繰り返し話し合うことの重要性を明記した。改定は3月になる見通しで、自宅や介護施設でも活用できるよう医療・介護業界などに対して周知する。

終末期医療のガイドライン見直しは今回が初めて(東京・霞が関)

終末期医療のガイドラインは2007年に定められた。内容の見直しは今回が初めてとなる。

現行の指針は基本的には病院での活用を想定。患者本人の決定を前提としたうえで、患者と十分に話し合い、合意内容を家族にも知らせることが望ましいとしている。多職種の医療従事者チームで判断することや、可能な限り苦痛を緩和し、患者と家族を援助することなども柱になっている。

多死社会の到来を踏まえ、人生の最期を自宅など住み慣れた場所で迎えられるように、厚労省はガイドラインの内容を充実させる必要があると判断した。

改定案では、患者本人の延命治療などに対する考え方が変わる可能性があることを踏まえ、医師らは柔軟な姿勢で患者と繰り返し話し合うことを求めた。

自宅や介護施設で最期を迎える場合、主治医に加えて介護支援専門員や介護福祉士なども参加するチームで患者と話し合って治療方針を決めるべきだとしている。

認知症などにより、患者の意思が確認できないケースも想定される。その時は、家族などと十分に話し合い、治療方針を決定すべきだとした。

厚労省の17年の人口動態統計の年間推計によると、死亡数は戦後最多の134万4千人に上る。多くは病院で亡くなっており、厚労省は住み慣れた自宅や介護施設で高齢者が最期を迎えられるように体制整備を急ぐ。

■終末期医療

病気や事故、老衰などで回復が見込めない患者への医療。人生の最終段階をどう過ごすかを巡っては多様な論点がある。最期を迎える場所を病院にするか、自宅にするか。また、人工呼吸器や経管栄養による延命治療をどこまで行うのかも患者とその家族にとって重大な問題になる。
 延命治療を控えたり、中止したりする「尊厳死」の法制化を求める議論があるが、終末期の選択肢をせばめる懸念から、国は治療方針の決定手順をガイドラインに示すにとどめている。薬物などで患者を積極的に死に導く「安楽死」は日本では認められていない。

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