2018年8月14日(火)

平昌壮行会、非公開相次ぐ JOC指針に所属先困惑

2018/1/16 9:09
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 来月の平昌冬季五輪を前に、代表選手の所属企業や学校主催の壮行会をメディアに公開しないケースが相次いでいる。2020年東京五輪開催を見据え、公式スポンサーに配慮する日本オリンピック委員会(JOC)が知的財産保護の指針を徹底していることが背景だ。選手の所属先からは「盛大に送り出したいのに」と困惑の声も上がる。

 札幌市北区の土屋ホーム本社。15日はジャンプ女子の伊藤有希選手の壮行会がメディアに非公開で開かれた。4年前のソチ五輪の際は公開されたが、同社の担当者は「ルールを順守する」と説明。同社所属のジャンプ男子葛西紀明選手の壮行会も非公開になるという。

 JOCの指針によると、大会エンブレムなど五輪の知的財産を使用できるのは協賛金を支払う公式スポンサーだけ。代表選手が参加する壮行会や大会後の報告会をメディアに公開できるのはスポンサー、自治体、競技団体に限られる。スポンサーではない企業や学校は、写真や動画をホームページや会員制交流サイト(SNS)に投稿することもできない。

 JOCによると、1998年の長野五輪では既に指針があったが、徹底されていなかった。これまで所属先の壮行会が五輪の盛り上げに一役買っていたこともあり、ある所属企業の担当者は「経済的なことだけを考えれば、企業が選手を抱えるメリットは少なくなる」と漏らす。

 フィギュアスケート女子の坂本花織選手が通う神戸野田高(神戸市)は1月上旬、関係者からの指摘を受けて、報道機関に送った壮行会の案内を撤回。他方、壮行会がメディアに公開された例もあり、対応にはばらつきがある。

 JOCの担当者は「所属先は大切な役割を担っているが、スポンサーの協賛金も選手強化に回っている。ルールを理解してもらいたい」と話す。

 関西大の黒田勇教授(スポーツ社会学)は「日本では、学校や企業とスポーツが強く結び付いて発展してきた。JOCは指針徹底を呼び掛けるだけでなく、日本の伝統を加味して議論を深める必要がある」と指摘した。〔共同〕

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