2019年9月18日(水)

観光資源の桜を守れ、埼玉県が外来カミキリ駆除作戦

2018/1/15 23:00
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埼玉県環境科学国際センター(同県加須市)は、桜や桃などの樹木を食べ、放置すれば枯死させてしまう「クビアカツヤカミキリ」の被害防止作戦を展開する。2012年に国内への侵入が見つかり、県内でも既に7市で確認されている。手引の作成や実態調査など、県民の協力を仰いで観光や農業への被害防止体制確立を急ぐ。

クビアカツヤカミキリの成虫は胸部が赤いのが特徴

クビアカツヤカミキリは中国や朝鮮半島など東アジアに広く分布し、15日には国が特定外来生物に指定した。成虫は体長2.5~4センチメートル程度。光沢のある黒色で胸部が赤いのが特徴だ。桜や桃など主にバラ科の樹木に卵を産む。ふ化した幼虫は生木を食べて2~3年かけ成長するため、樹木の内部を空洞化させる。1本の木に10匹入ると枯死するといわれている。

輸入木材などに潜んで国内に侵入したと考えられている。同センターは「花見を好む日本には桜が多く、天敵もいないのでクビアカツヤカミキリにとっては天国。繁殖力が強く、メスが1000個近く産卵することもあり、早期の発見、防除が重要」と強調する。

被害防止作戦は手引の作成による県民への周知、県民参加による調査、桜の保全活動団体などへの説明会の3本柱で展開する。2月1日には県内を代表する桜の名所、幸手権現堂桜堤(幸手市)の関係者を集めて説明会を開催。同月中には県北部でも開催する予定で、県内各地で説明会を重ねる計画だ。春からは保全活動団体や市民団体の協力を得て、県民参加による桜の被害調査を行う。

権現堂桜堤のある県営権現堂公園には桜の木が約1000本あり、3月下旬から4月上旬に開かれる桜まつりには毎年80万~90万人が訪れる。公園管理事務所は「まだ発生していないが、近くの加須市で見つかっており危機感を持っている。幸手を代表する観光資源であり、説明会を受けて対策を強化する」と言う。

クビアカツヤカミキリの被害は12年に愛知県で初めて確認され、翌年には埼玉県草加市で見つかった。その後、群馬、東京、大阪、徳島、栃木の都府県に広がっている。一方、県内では17年には熊谷、行田、加須、羽生、深谷、越谷の6市から報告が相次いだため、同センターは防止作戦に取り組むことを決めた。

ただ多くの自治体はまだ調査をしておらず、県内でどの程度に広がっているのか把握できていない状況だ。同センターは「県民の力を借りて被害実態を把握し、徹底的に防除することで、桜を守っていきたい」と話している。

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