時価総額(普通株式ベース)
  • 東証1部 6,211,235億円
  • 東証2部 68,226億円
  • ジャスダック 98,437億円
東証1部全銘柄の指標
連結前期基準予想
純資産倍率 1.22倍 --
株価収益率19.75倍24.83倍
株式益回り5.06%4.02%
配当利回り1.95% 1.73%
株式市場データ

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 23,516.59 +42.32
日経平均先物(円)
大取,20/12月 ※
23,490 -10

[PR]

マーケットニュース

フォローする

日本企業、円高でも「8勝3敗」
決算探偵団(1)

2018/1/18 13:15
保存
共有
印刷
その他
 決算。それは企業の成績表。一見、無味乾燥な数字の羅列。だが、探偵よろしく探れば探るほど、そこには味わい深い発見がある。

外国為替市場がにわかに慌ただしい。円は17日、対ドルで一時110円19銭を付け、4カ月ぶりの水準に上昇した。これはちょうど、日銀の企業短期経済観測調査(短観)による大企業製造業の今期の想定為替レート、1ドル=110円18銭と同水準。ここから一段と円高が加速するようなら、日本企業の今期の2ケタ増益シナリオに狂いが生じかねない。

外国にモノを売って稼ぐ輸出企業が多い日本経済にとって、円高は「天敵」。同じ1億ドル稼いでも、1ドル=100円換算なら100億円を計上できるところ、1ドル=80円の円高下では80億円に目減りする。トヨタ自動車の営業利益が「1円の円高で400億円違ってくる」というのは有名な話だ。

ところが、ところが――。決算探偵団は今回、円ドル相場と企業業績の関係を過去20年分に遡って調べてみた。すると、星取表で言えば「8勝3敗」。結果は意外なものだった。

1998年度から2017年度(予想)まで20年度分の決算で前年度よりも平均の円ドル相場が上昇、つまり円高に振れたのは計11回あった。そしてその11回中、イメージ通りに減益(=黒星)だったのは、わずか3回。残り8回は「円高でも増益」の白星だった。

なぜだろう。まず考えられるのは為替以外の要因の影響だ。「原油などの資源価格や、米国・中国をはじめとする他国の景気など、為替以外の要因も企業業績を左右する」(大和証券の高橋和宏株式上席ストラテジスト)。例えば、15年度のドル円相場は平均1ドル=120円強と前の期から約10円も円安・ドル高になったにもかかわらず、企業業績は3%の最終減益。資源価格の下落や新興国経済の低迷で、商社や非鉄金属、海運などの業績悪化が全体の足を引っ張った。

企業努力の結果、年々、日本企業の「円高抵抗力」が高まっている側面もある。対ドルで1円の変動が主要企業の経常利益に与える影響は、09年3月時点では0.98%だった(大和証券調べ)。つまり1円円高になる度、全体の経常利益は1%近く減っていた。それが昨年末時点では0.41%と、影響が半減している。

為替の影響を低下させるには、日本に閉じこもらず世界規模で考えるに限る。代表例が海外生産。先陣を切った自動車の海外生産比率は特に高く、ホンダ日産自動車の海外生産比率は8割を突破している。米国でつくり米国で売れば為替変動の影響を受けずに済む。経済産業省によると、国内製造業全体の生産量に占める海外生産比率は15年度に25.3%と過去最高に高まった。

また、製品に競争力がある場合、円建て取引で為替リスクを相手方に背負わせる手もある。例えばファナックは、工作機械の頭脳となる数値制御装置で世界トップシェアを握り、多くを円建てで輸出している。いすゞ自動車も新興国向けトラックを円建てで取引する。円が下がろうが、上がろうが対岸の火事でいられるわけだ。

さらに、世界のお金の流れを管理し、外貨建て債権・債務を相殺するなどのファイナンス手法も役立つ。「マリー(marry)」と呼ばれる手法では、輸出で得た外貨をそのまま外貨の支払いに充てることで、為替の影響を相殺する。債権・債務が拮抗する限り、為替影響はゼロだ。先頭を行くソニーは、世界約1300もの子会社を束ね、必要な資金をグループ内で融通するシステムを構築した。かつて1円の円高はソニーの営業利益を80億円押し下げていたが、今では逆に35億円の増益要因になるという。

今回、決算探偵団は発見した――。円高、必ずしも減益ならず。その陰にはたゆまぬ企業努力があった。(遠藤賢介)

(随時掲載します)

マーケットニュースをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

読まれたコラム