「浄化しづらい」で有名な地下汚染物質、現地で無害化

2018/1/16 6:00
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日経コンストラクション

NIPPOは日本建設機械商事(東京・新宿)と共同で、マイクロバブルと過酸化水素を使って、強力な酸化分解力で地下の汚染物質を無害化する「MBO促進酸化処理工法」を開発した。クレーン付きトラックで持ち運びできるコンパクトな装置を使った原位置浄化工法だ。

MBO(マイクロバブルオゾン)促進酸化処理工法の装置一式(資料:NIPPO)

MBO(マイクロバブルオゾン)促進酸化処理工法の装置一式(資料:NIPPO)

左が染色工場で出た廃液。右はMBO促進酸化処理工法で25分間処理した後の水。白濁しているのは、マイクロバブルオゾンの微細な気泡が水中で長くとどまっているためで、そのうち自然に気泡が抜けて無色透明になる(写真:NIPPO)

左が染色工場で出た廃液。右はMBO促進酸化処理工法で25分間処理した後の水。白濁しているのは、マイクロバブルオゾンの微細な気泡が水中で長くとどまっているためで、そのうち自然に気泡が抜けて無色透明になる(写真:NIPPO)

強力な酸化分解力を持つマイクロバブルオゾンに過酸化水素を添加して、強力な分解物質である「OHラジカル」を大量に発生させる。汚染物質を二酸化炭素と水に分解するので、その場で下水として放流でき、廃棄物が発生しない。

ベンゼンやトリクロロエチレンなどの有機溶剤のほか、色の付いた工場排水、水に溶けやすく揮発しやすい「1,4-ジオキサン」など、幅広い汚染物質を分解できる点が特徴。特に一部の洗剤などに含まれる1,4-ジオキサンは将来、土壌汚染対策法の特定有害物質に指定される可能性があり、その浄化方法が注目されている。

MBO促進酸化処理工法のもう1つの特徴が、4トントラックで持ち運べるコンパクトな処理装置を使用する点だ。長さ15m、幅5mの空間があれば、油水分解槽などを含む装置一式を設置できる。

また、タイマー制御の機能が付いており、現場に設置後は自動運転で処理できる。1日当たりの標準処理量は7.2~43.2m3(立方メートル)。維持管理は週に1回程度、過酸化水素水を補充するだけでよい。

MBO促進酸化処理装置は、クレーン付きトラックで簡単に持ち運べるサイズ(写真:NIPPO)

MBO促進酸化処理装置は、クレーン付きトラックで簡単に持ち運べるサイズ(写真:NIPPO)

MBO促進酸化処理装置。左に見える円筒状の容器の中でマイクロバブルと過酸化水素を混ぜる。低騒音かつ低振動なので、市街地でも使用できる(写真:NIPPO)

MBO促進酸化処理装置。左に見える円筒状の容器の中でマイクロバブルと過酸化水素を混ぜる。低騒音かつ低振動なので、市街地でも使用できる(写真:NIPPO)

従来、揮発性有機化合物(VOC)などの汚染地下水の原位置対策では、揚水に空気を吹き込み、強制的に汚染物質をガス化させ活性炭で回収する「揚水ばっ気工法」が主流だ。ただし、活性炭の交換・廃棄が必要であるほか、活性炭の吸着限界を超えると、汚染物質が大気中に放出されるといった問題があった。さらに、ガス化しにくい色の付いた工場排水や1,4-ジオキサンなどには適用できなかった。

濃度が高い汚染水を浄化する場合、数カ月ごとに活性炭を取り替えなければならない揚水ばっ気工法と比べて、開発した工法はランニングコストを20%低減できる。

NIPPOは今後、可搬性を生かせるような浄化対策工事などで、開発した工法を積極的に提案していく。例えば、掘削除去による浄化工事中に突発的に汚染水が大量湧出した場合、装置を持ってきて短期で適用するといった展開が考えられる。

(日経コンストラクション 真鍋政彦)

[日経コンストラクションWeb版 2018年1月15日掲載]

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