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ダルら所属先決まらず 大リーグFA市場に「寒波」
スポーツライター 杉浦大介

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2018/1/15 6:30
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米大リーグの今オフは歴史に残るほど「寒いストーブリーグ」が続いている。去就が注目されるダルビッシュ有をはじめ、大半のトップ級のフリーエージェント(FA)選手の所属先がまだ決まっていない。FA市場のこうした動きの鈍さはほかの日本人選手にも影響しそうだ。異例の事態が生じている理由はどこにあるのか。

「もう1月なのに誰も契約しない。そろそろ練習を始める時期なのに、トップのFA選手たちはまだみんな2018年の居場所を探している」

1月9日、米スポーツ専門局「ESPN」のデビッド・シューエンフィールド記者の記事のそんな記述が、今年の冬がいかに異例かを物語っているのだろう。

スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」が昨季終了後に発表した上位10人のFA選手の中で、新たな所属先が決まったのはロッキーズ、フィリーズとそれぞれ3年契約を結んだウェイド・デービス、カルロス・サンタナのみ。そのほか、ランキング1位のJD・マルチネス、2位のダルビッシュ、3位のジェイク・アリエッタ、4位のエリック・ホズマー、5位のロレンゾ・ケイン、7位のマイク・ムスタカス、8位のジョナサン・ルクロイ、10位のアレックス・コブはすべて去就が決まっていない。年を越しても、実績あるこうしたFAのスター選手たちの所属先がこれほど決まっていないケースは珍しい。

またランス・リン、ジェイソン・バルガスといった優れた先発投手、クローザーとして実績のあるグレッグ・ホランド、野手のローガン・モリソン、ニール・ウォーカー、エドゥアルド・ヌネス、ルーカス・デューダ、カルロス・ゴメス、ジョン・ジェイらもまだ18年の所属先が定まらない。今オフ、3年以上の新たな長期契約を結ぶ選手はまだいない。多くのチームが春季キャンプを始める2月13日まですでに1カ月を切りながら、異常事態が続いている。

「新労使協定や18年オフも…」

「もともと今オフのFA選手たちのレベルは最高クラスとはいえないうえ、大都市に本拠地を置く複数のチームが経費削減のため、移籍市場が動いていない。その背後で新労使協定が効いている。そして、18年オフには多くのスーパースターたちが一斉にFAになることも影響しているのだろう」

ナ・リーグのある強豪チームのベテランスカウトに意見を求めると、そんな答えだった。例年はオフシーズンの中心になることが多いドジャース、ヤンキースという資金力豊かな球団が、今冬は経費を抑えている。これまでは東西の両雄がオフのFA市場をリードし、標準となる金額を設定している感じがあったが、今オフはそのシナリオは適用されなかった。

このように球団が経費削減を考えている背景には、16年に締結された労使協定の影響があるに違いない。年俸総額が基準を超えたチームには「ぜいたく税」が課されるが、年俸高騰を抑制して戦力均衡を狙うためか、新制度ではそのペナルティーが厳しくなった。

年俸総額が「ぜいたく税」を課す基準を超えた場合の税率は昨季以降、1年目がこれまでの17.5%から20%にアップ。2年連続で基準を超えると30%、3年連続以上では50%と、オーバーする状態を繰り返すたびに税率は高くなる。超過額が2000万~4000万ドル(約22億2000万~約44億4000万円)と大きい場合にはさらに12%が上乗せされ、4000万ドルを超えた場合には1年目は42.5%、以降は45%の課税となる。また、4000万ドルを超えたチームには、18年以降のドラフト1巡指名権の順番が10位下降するというペナルティーまで加わった(指名権が全体6位以内の場合は除外)。

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