2019年6月20日(木)

メジャーリポート

フォローする

ダルら所属先決まらず 大リーグFA市場に「寒波」
スポーツライター 杉浦大介

(1/2ページ)
2018/1/15 6:30
保存
共有
印刷
その他

米大リーグの今オフは歴史に残るほど「寒いストーブリーグ」が続いている。去就が注目されるダルビッシュ有をはじめ、大半のトップ級のフリーエージェント(FA)選手の所属先がまだ決まっていない。FA市場のこうした動きの鈍さはほかの日本人選手にも影響しそうだ。異例の事態が生じている理由はどこにあるのか。

「もう1月なのに誰も契約しない。そろそろ練習を始める時期なのに、トップのFA選手たちはまだみんな2018年の居場所を探している」

1月9日、米スポーツ専門局「ESPN」のデビッド・シューエンフィールド記者の記事のそんな記述が、今年の冬がいかに異例かを物語っているのだろう。

スポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド」が昨季終了後に発表した上位10人のFA選手の中で、新たな所属先が決まったのはロッキーズ、フィリーズとそれぞれ3年契約を結んだウェイド・デービス、カルロス・サンタナのみ。そのほか、ランキング1位のJD・マルチネス、2位のダルビッシュ、3位のジェイク・アリエッタ、4位のエリック・ホズマー、5位のロレンゾ・ケイン、7位のマイク・ムスタカス、8位のジョナサン・ルクロイ、10位のアレックス・コブはすべて去就が決まっていない。年を越しても、実績あるこうしたFAのスター選手たちの所属先がこれほど決まっていないケースは珍しい。

またランス・リン、ジェイソン・バルガスといった優れた先発投手、クローザーとして実績のあるグレッグ・ホランド、野手のローガン・モリソン、ニール・ウォーカー、エドゥアルド・ヌネス、ルーカス・デューダ、カルロス・ゴメス、ジョン・ジェイらもまだ18年の所属先が定まらない。今オフ、3年以上の新たな長期契約を結ぶ選手はまだいない。多くのチームが春季キャンプを始める2月13日まですでに1カ月を切りながら、異常事態が続いている。

「新労使協定や18年オフも…」

「もともと今オフのFA選手たちのレベルは最高クラスとはいえないうえ、大都市に本拠地を置く複数のチームが経費削減のため、移籍市場が動いていない。その背後で新労使協定が効いている。そして、18年オフには多くのスーパースターたちが一斉にFAになることも影響しているのだろう」

ナ・リーグのある強豪チームのベテランスカウトに意見を求めると、そんな答えだった。例年はオフシーズンの中心になることが多いドジャース、ヤンキースという資金力豊かな球団が、今冬は経費を抑えている。これまでは東西の両雄がオフのFA市場をリードし、標準となる金額を設定している感じがあったが、今オフはそのシナリオは適用されなかった。

このように球団が経費削減を考えている背景には、16年に締結された労使協定の影響があるに違いない。年俸総額が基準を超えたチームには「ぜいたく税」が課されるが、年俸高騰を抑制して戦力均衡を狙うためか、新制度ではそのペナルティーが厳しくなった。

年俸総額が「ぜいたく税」を課す基準を超えた場合の税率は昨季以降、1年目がこれまでの17.5%から20%にアップ。2年連続で基準を超えると30%、3年連続以上では50%と、オーバーする状態を繰り返すたびに税率は高くなる。超過額が2000万~4000万ドル(約22億2000万~約44億4000万円)と大きい場合にはさらに12%が上乗せされ、4000万ドルを超えた場合には1年目は42.5%、以降は45%の課税となる。また、4000万ドルを超えたチームには、18年以降のドラフト1巡指名権の順番が10位下降するというペナルティーまで加わった(指名権が全体6位以内の場合は除外)。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

大リーグコラム

電子版トップスポーツトップ

メジャーリポート 一覧

フォローする
互いにボールを手にしながら、データを利用したアプローチなどについて話し合う菊池(左)とバウアー

 ほぼ約束の時間に姿を見せた菊池雄星(マリナーズ)は、真新しいボールを2つ、手にしていた。
 「サイン用?」とジョークを飛ばすと、「違います。教えてもらう用です」と言って、無邪気な笑みを返した。
 ややあ …続き (5/27)

3月28日のマリナーズ戦に先発したセール(中央)は3回7失点で降板。その後も勝てない投球が続いている=AP AP

 昨季世界一に輝いたレッドソックスが今季はどん底のスタートを切っている。4月16~17日に宿敵ヤンキースに連敗を喫し、19日のゲームを終えた時点で7勝13敗でア・リーグ東地区の最下位。首位を走るレイズ …続き (4/22)

今季2試合目の登板となったタイガース戦でも6回2/3を1失点と好投=共同共同

 ヤンキースの田中将大が、2019年の大リーグで順調なスタートを切っている。3月28日のオリオールズ戦は六回途中まで自責点1に抑え、自身初の開幕戦勝利を挙げた。4月2日のタイガース戦でも6回2/3を1 …続き (4/8)

ハイライト・スポーツ

[PR]