2018年11月13日(火)

「車も3Dプリンターで」とマグナCTO 北米ショー

2018/1/14 10:41 (2018/1/18 15:37更新)
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 米デトロイトで14日(日本時間15日)に開幕した北米国際自動車ショー。世界各国の自動車メーカーや部品メーカーが自社の製品や技術をアピールする。開幕を控えた13日から現地の様子を記録し、会場での各社の主な発表内容などを追う。(兼松雄一郎、工藤正晃、湯沢維久)

自動車メーカーなどの主な会見は終わり、一般公開に向けた準備が始まった(17日、デトロイト)

自動車メーカーなどの主な会見は終わり、一般公開に向けた準備が始まった(17日、デトロイト)

■メディアセンター解体、さらばデトロイト

【デトロイト=17日夕方】

充電設備や飲み物、軽食があり、荷物の置き場として取材班が重宝してきたメディアセンターが解体作業に入った。自動車メーカーや部品メーカーの主な記者会見やラウンドテーブルが終わり、20日からの一般公開に向けた準備が始まる。北米国際自動車ショーの来場者数は2017年まで4年連続で過去最高水準の80万人超となったが、米新車市場は減速している。米ゼネラル・モーターズ(GM)が新型ピックアップトラック、独フォルクスワーゲン(VW)が廉価セダンの新型、ホンダが高級ブランド「アキュラ」の多目的スポーツ車(SUV)など、売りたい車を披露するなか、来場者が80万人を超えるかどうかが足元の商品力の指標になりそうだ。

現地取材班もこれにて解散。さらばデトロイト。

ボルボ・カー・グループ米国法人のアンダース・ガスタファソン副社長はデジタル化で、車の流通サービスの変革を訴えた(17日、デトロイト)

ボルボ・カー・グループ米国法人のアンダース・ガスタファソン副社長はデジタル化で、車の流通サービスの変革を訴えた(17日、デトロイト)

■ボルボの新ブランドはオンラインで注文

【デトロイト=17日16:30】

ボルボ・カー・グループ米国法人のアンダース・ガスタファソン副社長は「車の購入時に4割の顧客は一度しかディーラーに行かず、もっと簡単に買いたいと思っている」と新車販売の課題を挙げた。ボルボの高級ブランド「ポールスター」は2019年中に新車を生産し、すべてオンライン注文で、月払いで引き取りや配送サービス、代車の貸し出しなどが含まれる。自動車業界の流通コストの改革につながる取り組みで注目が集まる。価格交渉もない。米国でも「新車の供給までに65日かかっているが、50年間変わっていない」(ガスタファソン副社長)といい、オンラインなどのオーダー注文を強化する。販売店は営業から、顧客サービスに経営資源を移す。

ボルボ・カーの親会社は中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団(浙江省)。中国では新ブランド「Lynk&Co」を立ち上げ、スマートフォンを使い所有者が使わない時間帯に他人に貸し出せるようにしている。デジタル技術の進化で従来の店舗主体のサービスやコスト、車を使わない時間への潜在的な不満が広がり、大手自動車メーカーの流通にも変化をもたらしそうだ。

■「車も3Dプリンターで」マグナCTO

【デトロイト=17日14:30】

カナダの自動車部品大手、マグナ・インターナショナルのスワミー・コタギリ最高技術責任者(CTO)は講演で、「人工知能(AI)が監視業務の3割をこなし、製品の5%は3次元プリンターで生産されるようになる」と予測する。完成車の組み立てまで受託できるが、自動運転向けの独自のレーダーやアラスカでの電気自動車(EV)の幅広い技術の研究などを紹介。昨年11月に上海汽車集団と電動パワートレーンで提携した中国市場について「大きな成長を期待している」と述べた。母国のカナダは北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉が決裂すれば影響が大きく、拠点の分散化が増えそうだ。

部品の集客はカットモデルで(16日、デトロイト)

部品の集客はカットモデルで(16日、デトロイト)

トヨタとの連携、改めて紹介

【デトロイト=17日10:30】

北米マツダの毛籠勝弘社長が関連イベントで講演。自社の歴史や広島を紹介した。先週発表したトヨタ自動車と共同で建設する米アラバマ工場などにも触れた。講演後の対談で、コーディネーターから米国でのトヨタとの米国内での提携について問われ、「販売では競合だが、生産・開発は大きな提携効果を生み出すチャンスがある」と話した。ただそれ以上に新工場について、踏み込んだ発言はなかった。またSUBARU(スバル)と比較され、「(スバルは)ブランドが明確。学ぶべきところがある」と応じた。

カットモデルを空輸

【デトロイト=16日17:30】

会場地下では60社近いスタートアップや部品メーカー、大学などが小さめのブースを開いている。併設展示会「autoMOBILI―D」だ。目立つ場所ではないが客を呼んでいたのはパワーステアリング世界大手のジェイテクト。部品や動きが見えるようにした「カットモデル」を展示していた。「空輸で経費はかかっているけど、米ビッグスリーの技術者らの訪問もあるしね」(同社幹部)

■米国には2つの市場がある

【デトロイト=16日17:30】

「日本と欧州と比べて米国は電動化への動きがゆっくりだ」。日産自動車の西川広人社長は現地の対談でこう話した。米国には、環境規制で電動化を進めるカリフォルニアと、大型車を好む従来市場の2つの市場があると説明した。「今回のモーターショーでもトラックなど大型車の発表があったように、1つはそういった需要がある」(同氏)

デンソーはVRなどでブランド発信、採用の場にしつつある(16日、デトロイト)

デンソーはVRなどでブランド発信、採用の場にしつつある(16日、デトロイト)

■ここは商談、採用の場

【デトロイト=16日15:00】

日系部品メーカー最大手のデンソーのブース。1週間前にラスベガスで開かれていた「CES」の時に比べて、一回り小さく、最新技術を説明する大型ディスプレーもない。その代わり、奥には椅子とテーブルが並び、商談や面接ができる。デンソーの現地幹部は「最新技術はCESに出すようになった」と言い切る。北米国際自動車ショーの意義は「地元にとって大事な祭典で、出会いはエンジニアの採用にもなる」(同幹部)。ショーの位置づけは変わりつつある。

VWの米国シェアは1970年がピークだった(16日、デトロイト)

VWの米国シェアは1970年がピークだった(16日、デトロイト)

■ウッドストックよ再び

【デトロイト=16日 15:00】

独フォルクスワーゲンの北米トップ、ハインリッヒ・ウォブケン氏が登壇。同社の米国シェアは1970年前後のロックフェス「ウッドストック」時代の5.6%を超えられていないという。ヒッピーに人気だったキャンピングバス「ウェストファリア」の後継EVをブランディングに積極活用していくと明らかにした。

出展6回目のアイシングループは自動車メーカーと同じフロアの好位置を確保(16日、デトロイト)

出展6回目のアイシングループは自動車メーカーと同じフロアの好位置を確保(16日、デトロイト)

■アイシン「ようやくメイン会場に」

【デトロイト=16日13:30】

北米国際自動車ショーは3日目を迎えている。米ビッグスリーやトヨタ自動車、独フォルクスワーゲン(VW)などが陣取る1階のホールの一角には部品メーカーのブースも目立った。その1つがトヨタ系のアイシングループ。電気自動車(EV)向けのモーター、自動運転向けのシステムなどを展示し、商談を狙う。初めて出展した2013年は会場地下だった。「交渉や実績を積み重ねて、ようやく今の場所と面積がもらえた」(アイシン関係者)という。場所取りもカイゼンが試されていた。

■「自動運転いらない」

【デトロイト=16日 13:00】

北米自動車ショー3日目。会場の一角では激しい討論が繰り広げられている。「大衆は自動運転を必要としていない」と主張するのは消費者団体だ。米議会で自動運転の規制法案が成立しそうな情勢だが、「法案の安全基準は不十分」(同団体幹部)。一方政治家は「貧困層や障害を持った人々の移動の自由につながる」、「米国産業に大きな波及効果がある」との反論も。

■危機感募らせる鉄鋼業界

【デトロイト=16日 13:00】

鉄鋼市場開発協会がイベントを開いていた。自動車用鋼板などの性能アピールだ。今回のショーでは米フォードやGMもアルミの利用を増やした新型ピックアップを発表。強化プラスチック、炭素繊維などもゆっくりと市場を侵食しており、業界は危機感をつのらせている。

ZFはデトロイトで奇瑞汽車との提携を発表した

ZFはデトロイトで奇瑞汽車との提携を発表した

■自動運転で独中連携

【デトロイト=16日10:30】

「中国市場の大きさが魅力だ」。独部品大手ZFが奇瑞汽車と中国市場での自動運転技術開発で提携すると発表。プレス向け発表会の後、コンスタンチン・ザウアー最高経営責任者(CEO)が記者団に答えた。場合によっては人の運転が必要な「レベル3」で連携する。

今回の北米国際自動車ショー(通称デトロイトモーターショー)は世界に発信するためよりも、開催国での情報発信のためと、ショーの位置づけが移りつつあるといわれる。実際、展示をみているとそう感じるが、デトロイトでドイツ部品大手とアジア完成車メーカーの提携が発表されたことは、国際展示会としての「格」がまだ残っていることを示した格好だ。

■キング牧師の誕生日祝う

【デトロイト=15日 18:00】

15日はキング牧師の誕生日にちなんだ記念日で祝日。キング牧師のスピーチ「私には夢がある」はワシントンDCでのものが有名だが、実はその2カ月前にデトロイトのこの場所で初めて披露されていた。会場にはスティービー・ワンダー氏の「ハッピー・バースデー」が流れ、黒人層が大半を占める会場ではトランプ政権を批判するスピーチに大きな拍手が。キング牧師とともに活動した公民権活動家ジェシー・ジャクソン氏が登場すると会場は総立ちで迎えた。

■ベンチャーにも脚光、自動車ショーに新風

【デトロイト=15日 16:30】

米起業家学校(アクセラレーター)大手テックスターズが北米国際自動車ショーに初めて登場し、有望な卒業ベンチャーを紹介、大手の製品発表が続くショーに新風を吹き込んでいる。ライドシェア車向けに物販ができるカーゴーや、SNSから天気やイベント情報を集めるスペーシャルなどだ。

15日のデトロイトは雪が降り続き、モーターショーの会場前では除雪作業も行われた=井上昭義撮影

15日のデトロイトは雪が降り続き、モーターショーの会場前では除雪作業も行われた=井上昭義撮影

■ショーの会場の外も、大忙し

【デトロイト=15日15:00】

朝からぱらぱら降り続ける雪。取材に没頭していると、積雪していた。2~3センチか。除雪作業が慌ただしい。


トヨタが発表した新型アバロン(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

トヨタが発表した新型アバロン(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

■トヨタ、最上級セダン アマゾンのAI搭載第1弾に

【デトロイト=15日13:05】

トヨタブランドの最上級セダン「アバロン」の新モデルが披露された。「カムリ」と同じプラットフォームを使う上級モデル。保守的な車かと思いきや米アマゾン・ドット・コムの人工知能(AI)が載り、車の中から家のエアコンを操作したり、ネットで買い物ができたりする。アマゾンのAI搭載はトヨタ、レクサスで初めてで「カムリの上級派生車として、色々なチャレンジする役割もある」(トヨタ幹部)という。

■デトロイトショー会場にナショナリズムの影

【デトロイト=15日11:30】

北米国際自動車ショーの会場にもナショナリズムの影が差している。外資系大手の間でトランプ政権の「米国第一」政策を忖度(そんたく)した展示やプレゼンが目立つ。日産自動車はプレゼンで米国で2万2千人の雇用を創出しているとアピール。トヨタ自動車は五輪のチームUSA用の車両を展示。独フォルクスワーゲンはプレゼンに星条旗を使っていた。

■止まらない「アマゾン効果」、自動車ショーにも

【デトロイト=15日11:30】

北米国際自動車ショーの会場にも「アマゾン効果」は押し寄せている。アマゾン・ドット・コムの音声自動応答サービス「アレクサ」を採用する自動車メーカーが増えているだけではない。アマゾンが独自制作した自動車ファン向け番組「グランドツアー」の宣伝ブースまである。

ホンダが公開した2018年半ばに発売する高級車「アキュラ」のSUVのプロトタイプ(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

ホンダが公開した2018年半ばに発売する高級車「アキュラ」のSUVのプロトタイプ(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

■ホンダ、高級ブランド「アキュラ」で新型SUV

【デトロイト=15日11:30】

赤色と白色が目立つホンダの高級ブランド「アキュラ」のブースで、新型SUV「RDX」のプロトタイプを世界初公開した。RDXはアキュラのエントリーモデルで、今回の3代目にして初めて現地の米国人が開発初期から主導。米国で伸びるSUVの高級車市場は日米欧のメーカーが新型車を次々と投入し、米国ホンダの神子柴寿昭社長の「RDXがアキュラをけん引していってほしい」という言葉が激戦になる市場を物語っている。

日産がが発表したデザインコンセプト車(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

日産がが発表したデザインコンセプト車(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

■日産の5年後のSUVはこの形?

【デトロイト=15日11:00】

「伝統的な日本の熟練の技と最新のテクノロジーをつなぐようにデザインした」。日産自動車の5年後をめどに投入する多目的スポーツ車(SUV)のデザインコンセプト車「クロスモーション」を世界初公開した。6人乗りの3列シートモデル。「エクストレイル」や北米向け「ローグ」の将来のデザインの方向性を示す1台だ。

VWは米国販売の好調ぶりをアピールし、セダン2車種の新型を披露した(15日、デトロイト)

VWは米国販売の好調ぶりをアピールし、セダン2車種の新型を披露した(15日、デトロイト)

■VWが会見、セダン2車種と販売回復アピール

【デトロイト=15日10:00】

独フォルクスワーゲン(VW)が乗用車の「パサート」と「ジェッタ」の新型車を公開した。VWグループの世界販売はトヨタ自動車を上回り、米国でのシェアはわずか4%程度だが、周辺をメディアや自動車関連の関係者で埋め尽くす。最初に登場したのは中型セダン「パサートGT」の新型車だが、説明はほとんどなく、昨晩のイベントと同様に主役は低価格セダン「ジェッタ」。安全運転支援やインフォテイメントの機能を紹介した後、「このグレートな仕様で1万8545ドル(約206万円)」と胸を張った。だが会見時間の半分は商品ではなく、北米でのVWの歴史や貢献、17年の好調な販売台数の説明。米国販売はディーゼル車の排ガス不正で落ち込んだが、17年は16年比5.2%増えており、回復ぶりのアピールに力を入れていた。

■ホンダ「アコード」が受賞、北米カー・オブ・ザ・イヤー

【デトロイト=15日8:20】

カーオブザイヤーを受賞したホンダアコード(左)(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

カーオブザイヤーを受賞したホンダアコード(左)(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

北米国際自動車ショーで15日発表された「2018年北米カー・オブ・ザ・イヤー」の乗用車部門をホンダの「アコード」が受賞した。10代目として全面改良して17年10月に発売した。エンジンを小型化し、燃費を改善した。一方で走行性能にもこだわったことが評価された。18年前半には北米でハイブリッド(HV)モデルも投入する。

■レクサス、「日本刀」イメージの最上級SUVコンセプト

【デトロイト=15日8:35】

トヨタが発表したレクサスの最上級SUVコンセプト車(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

トヨタが発表したレクサスの最上級SUVコンセプト車(15日、デトロイト)=井上昭義撮影

トヨタの高級ブランド「レクサス」が「新しいラグジュアリーを表現したフラッグシップ」という前触れの多目的スポーツ車(SUV)の最上級コンセプトを披露した。北米トヨタのジェフ・ブラッケン副社長が「すべてのパワートレーンに対応する」と宣言。会場の周囲にあるスクリーンにEV(電気自動車)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)の表記が表れ、エコカーに全方位で取り組む姿勢を空間で示した。米市場で売れ筋のSUVは各メーカーがこぞって新車を計画する中、どこまで独自の付加価値を出せるのか。1989年に米国でレクサスを誕生させてから30周年近い。南カリフォルニアにあるデザイン拠点があり、「日本刀」をイメージしたというスタイルにも注目が集まる。

■VW「ジェッタ」の価格に会場から歓声

【デトロイト=14日21:00】

フォルクスワーゲンが発表した新型ジェッタ(14日、デトロイト)=井上昭義撮影

フォルクスワーゲンが発表した新型ジェッタ(14日、デトロイト)=井上昭義撮影

独フォルクスワーゲン(VW)の乗用車「ジェッタ」の新型車の発表。大音量とともに登場したのはクーペのようなデザインの青と白の2台。ジェッタは日本ではなじみが薄いが、米国や中国などでは低価格で売れ筋だ。初代が誕生した1979年からの世界での累計販売台数は1750万台。いまの日本の新車市場の3年分を超える。デザインやエンジン、内装、ライトなどのこだわりが次々と紹介されたが、最も歓声が上がったのは「$18545」(約206万円)がスクリーンに登場した瞬間だった…。やはり消費者は安さが気になることを改めて実感した。

■ダイムラーのツェッチェ社長、新型SUVアピール

【デトロイト=14日20:45】

独ダイムラーの「メルセデス・ベンツ」が多目的スポーツ車(SUV)「Gクラス」の新型車を発表。販売が好調なSUVは競争も激しい。オフロードでの力強さを強調した。ディーター・ツェッチェ社長は「オフロード性能がGクラスのDNAだ」と話した。電動車や自動運転には一切触れなかった。

北米国際自動車ショーでフォードが発表した新型のピックアップトラック(14日、デトロイト)=井上昭義撮影

北米国際自動車ショーでフォードが発表した新型のピックアップトラック(14日、デトロイト)=井上昭義撮影

■フォード、デトロイト再生アピール

【デトロイト=14日17:30】

米フォード・モーターの発表会で創業家のビル・フォード会長が「十年前は死にかけていたがデトロイトは復活した」と宣言した。都市の中心部は再投資され、きれいな公園が整備され、ニューヨークのようなこじゃれたレストランが増えた。深夜でも女性だけで歩けるようになっており、廃虚ばかりが目立った10年前とは隔世の感がある。

■インテル、自動運転で実績アピール

【デトロイト=14日15:30】

インテルの自動運転部門のチーフシステムズアーキテクトはコスト優位性を強調していた(14日、米デトロイト)

インテルの自動運転部門のチーフシステムズアーキテクトはコスト優位性を強調していた(14日、米デトロイト)

米インテルの自動運転部門のチーフシステムズアーキテクトが記者会見に登場。14日は自動車メーカーの発表がまだ少ないため、座席は半分以上が空席と少し寂しい風景…。2018年から日産自動車、独フォルクスワーゲン(VW)、独BMWと取り組む計200万台規模での実験の意義を語った。インテルは17年3月に153億ドルで買収したモービルアイ(イスラエル)の画像認識技術を活用し、自動運転車向けの開発プラットフォームを提供していく方針。人工知能(AI)に頼るのではなく、カメラの画像認識ベースのシステムが「最も経済的だ」とライバルとの違いをアピールしていた。

■チャオ運輸長官「自動運転導入は予想より早く」

【デトロイト=14日13:30】

講演するチャオ米運輸長官(14日、デトロイト)

講演するチャオ米運輸長官(14日、デトロイト)

開幕初日、イレーン・チャオ運輸長官が基調講演に登壇し「自動運転導入は予想より早く進む」と語った。米ゼネラル・モーターズ(GM)がハンドル、ペダルなしの自動運転車の導入を申請した例を挙げた。「技術革新を促すよう政策を仕分けし、米国の競争力を高めて雇用を生み出す」とし消費者の不安にも配慮しながら、積極的に新技術の利用促進を進める方針を強調した。

■AI大国カナダとの近さ、デトロイトの強み

【デトロイト=14日13:00】

2016年夏にカナダ・オンタリオ州と地元の米ミシガン州が自動運転など新技術に対応した人材育成などで提携した縁でカナダ政府顧問レイ・タンゲイ氏が基調講演に登場。人工知能開発に強いカナダの人材にアクセスしやすいのは「デトロイトの新たな地理的強みになっている」と指摘した。

自動車産業の中心デトロイトがあるミシガン州では2009年以来、自動車関連で4万6千人の雇用が増えたという。ミシガン州は自動運転の試験設備インフラを整えてきている。一方、トロントなどがある対岸のカナダ・オンタリオ州は自動運転絡みの研究・開発で多数の人材を輩出している。ブラックベリーを生んだウォータールーなどもあり、IT(情報技術)系の人材も集積している。自動車で4時間程度の圏内に今後必要とされる分野の人材が集まっているのは無視できない利点だ。

タンゲイ氏は「カナダ政府はベンチャーの『パートナー』。過去からの産業集積など地域の特色を生かす形でシリコンバレーとは別の軸で競争していける」と語った。

■大型ピックアップが行き交うデトロイト中心部

【デトロイト=13日22:30】

デトロイト川に面した米GM。週末ディナーのお迎えはピックアップトラック

デトロイト川に面した米GM。週末ディナーのお迎えはピックアップトラック

デトロイトの中心街は静まりかえる。シボレーの発表会場からバスでGMの本社に移動。併設するレストランで週末ディナーを楽しんだ大人たちが帰路に着く。帰り道に使うのは…大型のピックアップトラック。日本の光景とはやはり違う。この時間の気温はマイナス10度を下回った。

明日が開幕日。早速、米フォードのほか、独ダイムラーの「メルセデス・ベンツ」やフォルクスワーゲン(VW)の発表会が相次ぐ。米系と欧州系それぞれの個性を追いかけよう。

■GMトップ「NAFTA再交渉は建設的な議論を」

【デトロイト=13日20:00】

シボレー会場ではお酒も振る舞われた

シボレー会場ではお酒も振る舞われた

米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、米政権が進める北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について「条件見直しに関して政府と建設的な初期の議論ができている。我々は国内雇用を重視している。交渉は一歩間違えば雇用を減らす結果につながる」と政権への脅しともとれるメッセージを出した。

ただ、GMの米国の生産拠点では、2017年には乗用車の販売不振により積み上がった在庫の圧縮に伴いシフトの削減や数千人単位のリストラを断行してきた。しかも米乗用車市場には回復の兆しが見えず、乗用車生産拠点のさらなるリストラは避けられそうもない。NAFTAの議論で強気のメッセージをいつまで出し続けられるかは不透明だ。

■GM・バーラCEOも終始笑顔

【デトロイト=13日20:00】

シボレーが発表した新型のピックアップトラック

シボレーが発表した新型のピックアップトラック

「シボレー」が新型のピックアップトラックを初公開。参加者は専用駐車場からシャトルバスで発表会場に。アルコールが振る舞われ、ショー本番は明後日だが、既に前夜祭といった盛り上がりだ。取材班は飲まずにカメラ位置や取材の分担を再確認。「ようこそデトロイトへ」。今年のショーに関連した発表の1番手だ。

担当役員らによるピックアップトラックの発表会はおよそ30分。それが終わると、米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)に記者とテレビカメラが集まった。新型車の発表のステージにはあがらなかったが、報道陣の関心はもちろん自動運転車やNAFTA、電動化といったところだ。踏み込んだ発言はなかったが、丁寧に質問には応じていた。

■ショー会場慌ただしく

【デトロイト=13日18:00】

ショー開幕を控えた13日。夜に「シボレー」ブランドのを発表する米ゼネラル・モーターズ(GM)。関係者の受付が始まった。ショーの直前の11日にはハンドルのない自動運転車の量産を発表。電気自動車(EV)も開発で先行したが、今や米テスラの後じんを拝す。かつての「世界のGM」の復活を目指す。

【デトロイト=13日16:00】

北米国際自動車ショーの会場前に展示した、樹脂で固められたメルセデス・ベンツ「Gクラス」の初期モデル=井上昭義撮影

北米国際自動車ショーの会場前に展示した、樹脂で固められたメルセデス・ベンツ「Gクラス」の初期モデル=井上昭義撮影

14日に開幕する北米国際自動車ショーの会場前。今回のモーターショーで独メルセデス・ベンツが新型モデルを初披露する多目的スポーツ車(SUV)「Gクラス」の1979年生産の初期モデルが樹脂にかためられて置かれている。「オフロードのレジェンド(伝説)を象徴する」という。競争が激化するSUV分野で、来場者にGクラスの歴史観をみせたいようだ。

会場となる建物に入ると、メーンホールの中に入れないものの、開け放たれたドアから各社の展示ブースがみて取れる。フォークリフトが行き来し、照明や音響のテストが繰り返され、準備作業が急ピッチで進む様子がわかる。アメリカらしい。

■極寒デトロイト、地元は歓迎ムード?

【デトロイト=13日13:00】

米デトロイトのモーターショー前。雪がほんのり残り、気温はマイナスだ。右奥の円柱の建物が米GMの本社が入るタワー。週末、オフィス街は閑散

米デトロイトのモーターショー前。雪がほんのり残り、気温はマイナスだ。右奥の円柱の建物が米GMの本社が入るタワー。週末、オフィス街は閑散

すっきりと晴れた気候。移動する車内からの景色はぽかぽか陽気だ。ただここは米国北部ミシガン州のデトロイトだ。外に出ると日差しがしっかり差しているのに寒さで体が震える。気温をみるとセ氏マイナス8.8度、そういえば天気予報できょうの最高気温は9度だった。自動車の街で知られるデトロイトの冬は猛烈に寒い。

地元テレビではモーターショーのCMが繰り返し流される。近くのカフェで取材班が打ち合わせをしていると、「なにをしてるの? 気になったから聞いてみた」。40代ほどの男性が声をかけてきた。「モーターショーの取材準備だ」と答えると、「そりゃいい。楽しんで」。世界各地から人が集まる一大イベントに地元も歓迎ムードだ。

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