2018年1月17日(水)

フェイスブック、友人に回帰 「ネットの支配者」転機

ネット・IT
北米
2018/1/12 21:03
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 【シリコンバレー=中西豊紀】米フェイスブックは11日、コンテンツの表示の仕方を改めると発表した。企業やメディアより友人、家族の投稿の表示を増やし、交流サイト(SNS)の性格を再び強める。広告収入を減らしかねないが、偽ニュース問題への対策を優先する。ネット空間の「プラットフォーマー(基盤提供者)」としての成長が転機を迎えている。

フェイスブックのザッカーバーグCEO

 「人々に意味のある交流を促す」。表示法の見直しはマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が自身のフェイスブックページを通じて表明した。

 見直しの対象はユーザーが日々閲覧する「ニュースフィード」と呼ばれる主要ページ。ユーザーが文章や写真、動画を書き込むと、友人などSNSでつながる相手のニュースフィードに表示される。コンテンツは次々と更新されるため、ユーザーは一日に何度もページを開くことが多い。

 ニュースフィードは「有料の情報掲載の場」としても使われており、数多くの企業が広告記事を掲載。新聞など多くのメディアは閲覧者を増やすためにニュースを流す「媒体」に活用しているが、今回の見直しで企業やメディアではなく友人や家族が投稿した記事が優先表示されるようにする。

 フェイスブックはザッカーバーグ氏が2004年、米ハーバード大学の学生同士がつながるために創業。SNSによるコミュニケーションは社会現象になり、ユーザー数20億人を誇る世界屈指のネット企業に成長した。

 ザッカーバーグ氏が決めた今回の措置はフェイスブックを「情報集積地」ではなく、再び「つながりの場」に戻そうという試みに見えるが、経営上の重荷になりかねない。フェイスブックを販促活動や情報提供の場として使ってきた企業やメディアで不満や反発が広がる恐れがあるからだ。

 フェイスブックの売上高の9割は広告。ザッカーバーグ氏は今回の見直しについて「利用者のページの閲覧時間は減るだろう」と認めているが、長期的な成長をにらんだ経営判断かもしれない。

 ニュースフィードの利用法を巡っては16年の米大統領選で起きた偽ニュース問題などを機に批判が高まる一方。最近は「放っておけば、深刻なユーザー離れを招く」との見方も出ている。広告費を払えば、誰でも差別を助長する広告を出したり、偽ニュースを流したりすることができるためだ。今年は米国で中間選挙があり、偽ニュース対策は待ったなしの課題だ。

 巨大な影響力に対する社会からの要請、企業としての成長をどう両立させるか。米グーグルなど他のプラットフォーマーも抱える難題だ。ザッカーバーグ氏の解答が正しいかはまだ分からない。

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