2018年1月24日(水)

ホンダ、旗艦バイク17年ぶり刷新 販売再編の試金石に

自動車・機械
2018/1/12 11:41
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 ホンダは二輪車の旗艦モデル「ゴールドウイング」を17年ぶりに刷新して、4月2日から国内で発売すると発表した。1975年の米国投入から今回で6代目。新技術を積極的に取り入れる伝統を踏襲した一方、これまで続けてきた大型化には終止符を打った。それに加え、4月に発足するホンダの新販売網で初の専売モデルとなる。二輪ファンの高齢化が進む中で、販売網再編の成否を占うことになりそうだ。

 ゴールドウイングは排気量が1800ccとホンダの二輪車としては最大。国内では88年から販売している。長距離移動の快適性を重視した「ツアラー」と呼ばれるタイプの二輪車だ。2007年には世界で初めて二輪用エアバッグを搭載するなど、旗艦モデルとして各世代で新技術を盛り込んできた。

 新モデルも先達に負けていない。まず自動変速と手動変速を切り替えられる新世代の「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」を搭載した。7段変速で、なめらかな走行が可能だ。スポーツカーと同じような新型サスペンション(懸架装置)を採用し、ハンドルに伝わる振動も約3割抑えた。

 大きな変化は軽量化だ。初代から大型化と装備の充実を重ねてきたゴールドウイングだが、先代より38キログラム軽くして取り回しをよくした。「コンパクトかつ操る楽しみを最大に」。開発責任者である本田技術研究所の中西豊氏は全面改良の考え方をこう説明する。

 軽量化の背景には二輪ファンの高齢化がある。国内の二輪車ユーザーは平均年齢が50歳を超す。ゴールドウイング購入者の平均年齢は11~17年で52歳。年齢を重ねれば大型車両を自由に取り回すのは難しくなる。運動性能と取り扱いやすさを重視して、小排気量帯からの乗り換えを取り込みつつ、ロイヤルカスタマー(上客)をがっちりつかむ戦略だ。

 ホンダは4月から、現在は5系列ある二輪車の販売網を中・大型車を中心にホンダ車だけを販売する「ホンダドリーム」と、250cc以下のホンダ車のほか他メーカー車も併売できる「ホンダコミューター」に再編する。ホンダの中大型車を購入できる店舗数は減ることになるが、ドリーム店は品ぞろえ、サービスなどを高めて、顧客の満足度を高める狙いがある。

 日本の17年の二輪車販売は38万台程度になったと見られ、この10年で半減している。しかし落ち込みが激しい排気量50cc以下の原付き1種に対し、趣味性の高い大型車種は比較的堅調だ。排気量250cc超に限れば、17年の販売台数は6万4003台と前年比でプラスに転じている。

 四輪車に比べ走る感覚や趣味性がより重視される二輪車。堅調な中大型車を中心に活性化の余地はまだ残る。従来のファンに長く乗ってもらいつつ、新たなファンを獲得するには製品や売り方の見直しは欠かせない。新販売網で初めての専売モデルとなるゴールドウイングは、その試金石となる。

(企業報道部 江口良輔)

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