2018年4月26日(木)

個性派ビールで勝負 果実や香辛料入りで需要開拓狙う

2018/1/11 19:29
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 ビール大手が個性派ビールの商品開発を相次いで打ち出した。酒類の安売り規制で販売が落ち込んだ2017年に続き、業務用商品の値上げが控える18年も見通しは厳しい。そのなかで、4月にはビールの「定義変更」が実施され、果実や香辛料などを使った開発の幅が広がる。新商品によって需要を開拓できるかどうかが、各社のシェア動向を左右する。

キリンビールの布施社長は「ユニークな原材料を使った新提案をする」と強調(11日、東京・千代田)

キリンビールの布施社長は「ユニークな原材料を使った新提案をする」と強調(11日、東京・千代田)

 「市場活性化の後押しになる」。11日、キリンビールの布施孝之社長はビールの定義変更についてこう語った。特徴的な副原料を使ったビールを4月に発売する計画で、「ビールの多様性を発信するチャンス」(布施社長)と意気込む。

 市場環境は厳しい。17年は大手のメガブランドに飽きた消費者が缶チューハイなどへ流れ、酒類の安売り規制も強化された。18年3月には各社で、10年ぶりの業務用ビール系飲料の値上げが始まる。「マイナスインパクトがある」(アサヒビールの平野伸一社長)と各社の危機感は強い。

 そのなかで明るい材料とされるのが4月の「定義変更」だ。現在のビールは麦芽の使用比率が67%以上に定められ、使える副原料に制限がある。変更後は果実や香辛料などを副原料として使えるようになり、フルーティーな味付けなど個性を出しやすくなる。

アサヒビールは定義変更を踏まえて新商品「グランマイルド」(右)を発売する

アサヒビールは定義変更を踏まえて新商品「グランマイルド」(右)を発売する

 アサヒビールが4月に投入する「グランマイルド」は、アルコール度数を7%と高くしながら、ハーブの一種であるレモングラスを副原料に使いアルコール特有のにおいを抑える。サッポロビールも11日、静岡県の工場に多品種少量生産対応の新設備導入を公表。サントリービールも新商品の投入に意欲をみせる。

 各社は商品の幅を広げることでビール回帰を促す狙いだ。発泡酒や「第三のビール」を含めてビールは最も税率が高いが、26年には酒税の一本化が予定されており、1缶(350ミリリットル)にかかる税額が20円強減少する見込み。価格下落の好機を生かすためにも、個性派ビールの開発をいち早く進めておく必要がある。

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