2018年6月23日(土)

都心のオフィス空室率上昇 12月末、大量供給映す

2018/1/11 12:22
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 東京都心部でオフィスビル空室率の低下が止まった。仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が11日発表した都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の2017年12月末の空室率は3.12%と、11月に比べて0.09ポイント高い。18年は都心に大型ビルが相次ぎ完成する。その影響がじわりと出始めている。

18年は都心に大型ビルが相次ぎ完成する

18年は都心に大型ビルが相次ぎ完成する

 空室率の上昇は2カ月連続。住友商事が年内に完成する千代田区の大型ビルに移るため、現本社がある晴海アイランドトリトンスクエア(東京・中央)は次の入居企業を探している。関連会社が入る部分の募集も始まり、都心部全体の空室率を押し上げた。

 最新のビルはフロア面積が広く、机やOA機器を効率的に配置できる。働きやすいオフィスづくりを兼ねて古いビルから移ったり、分散していたオフィスを新築ビルに統合したりする大企業が目立つ。都心5区の平均募集賃料は48カ月連続で上がり、3.3平方メートルあたり1万9173円と11月に比べて109円(0.57%)高い。

 不動産サービス大手JLL(東京・千代田)によると、18年に都心部で完成する大型オフィスビルの貸床面積は約60万平方メートルと17年の3倍に膨らむ見通し。「ほとんどのビルで空室の残りは少ない」(三幸エステートの今関豊和チーフアナリスト)。1月末に完成する太陽生命日本橋ビル(同・中央)も満室に近い。

 一方で既存ビルは空きが増える可能性がある。新築ビルへの移転が本格化するとみられる18年後半以降は「既存ビルへの誘致競争が厳しくなる」(仲介大手)との声もある。優れた人材を確保するためにオフィスの立地や見栄えを重視する企業が増えている。利便性や管理状態によって入居の明暗が分かれそうだ。

 都心部は12年後半から空室率の低下傾向が続いてきた。今もオフィス需給が均衡するとされる5%を大きく下回るが、さらなる大幅な低下は見込みにくい。賃料も「上昇余地は限られる」(日本不動産研究所の吉野薫主任研究員)との見方が出ている。

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