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ラグビーW杯へ日本の強敵飛躍 欧州リーグ「プロ14」

ラグビー界に拡大路線で注目を集めるプロリーグがある。欧州各国のクラブで構成する「プロ14」だ。昨年は南アフリカに進出し、北米へも食指を動かす。2019年ワールドカップ(W杯)で日本と対戦するアイルランド、スコットランドの好調の陰には同リーグの伸長がある。

昨夏、一つの"大型移籍"が注目を集めた。日本のサンウルブズも参加する南半球リーグ「スーパーラグビー」からチーターズとキングズの南ア勢が離脱、プロ14に参戦した。直接の契機はスーパーラグビーの縮小だが、南アはラグビー熱が高く、英国と時差が1~2時間でテレビ中継にも向く。プロ14にはビジネス面の利点が大きい。

「観客数が前年比30%増えたクラブもある。南アの2クラブもスーパーラグビー時代よりテレビの視聴者数が伸びた」。プロ14のアダム・レッドモンド・コミュニケーションマネジャーは明かす。南アのテレビ局などの放映権料が入ったことで各クラブは年間50万ポンド(約7600万円)の増収になったとも報じられる。

資金力に勝るフランスやイングランドのリーグは各国のスター選手を集める。アイルランドなどが自衛策として01年に設立したのがプロ14の前身。今ではアイルランド4、ウェールズ4、スコットランド2、イタリア2、南ア2という国際色豊かな14クラブが集う。

さらに「アトランティック(大西洋)チャンピオンシップ」という仮称で、米国、カナダへの進出も検討する。時差の小さいワシントンなど東海岸が候補に挙がる。ドイツなど欧州の潜在市場も視野に入る。「今後4~6年で北米と欧州の両方のチームが加入するかも」とレッドモンド氏。

プロ14は参加国の代表チームにも恩恵が大きい。ほとんどの代表クラスの選手は自国のクラブでのプレーを選択。クラブ数が少ないこともあり、他のリーグより有力選手が集中する。昨季、各クラブには代表経験のある選手が平均で25人いた。リーグの質は保たれ、代表選手同士の連係も深めやすい。

19年W杯で日本と1次リーグ同組になったアイルランド、スコットランドの両代表には別の利点もある。国のラグビー協会が各クラブを監督するため、選手は代表戦を最優先できる。選手が代表とクラブの板挟みになる他国と違い、"代表ファースト"の仕組みがある。「代表監督がポジション変更を求める選手にはクラブでもそのポジションでプレーしてもらうケースがある」とレッドモンド氏。

試合数(興行収入)が少なく、プロ化のハードルが高いラグビーでは早くから国際リーグが発展してきたが、プロ14はその先陣を今後も走るようだ。レッドモンド氏は言う。「新たな機会を追求できるのがプロ14のアドバンテージ。我々は止まらないだろう」

(谷口誠)

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