2018年11月21日(水)

戌年に復活だワン! ソニー新型アイボ開発秘話

コラム(ビジネス)
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2018/1/11 6:30
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犬型ロボット「aibo(アイボ)」を発表するソニーの平井社長(右)と川西泉執行役員(2017年11月、東京都港区)

犬型ロボット「aibo(アイボ)」を発表するソニーの平井社長(右)と川西泉執行役員(2017年11月、東京都港区)

「人々の好奇心を刺激する会社であり続けることがソニーのミッションだ」と語る平井一夫社長の肝煎りで開発された犬型の家庭用ロボット「aibo」が11日に発売される。愛くるしく首をかしげたり人工知能(AI)で自ら学んで賢くなったりする。組織の壁を越えて様々な技術を結集する「ワン・ソニー」路線の成果だ。会社の完全復活を世界に示すミッションを果たせるのか。

「新型アイボはデバイスなど多くの独自技術を詰め込んだ。ハードやクラウドを融合して新しい体験を提供する」――。新型アイボの開発プロジェクトを平井社長から任された執行役員の川西泉氏はこう強調する。

川西氏は「技術のソニー」が誇る「技術のエース」だ。1986年に入社。95年にゲーム子会社に出向すると、家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」や「プレイステーション・ポータブル(PSP)」を相次ぎ立ち上げた。ハードとソフトの両面に強い。最近は業績不振のスマートフォン事業の立て直しという重責も兼務しており、「難しい仕事ばかり」と苦笑する。

平井社長は2016年夏、業績の回復を受けて新型アイボの開発をスタートさせた。18年1月の発売に向けて時間的な余裕はなかったが、各事業のエース級の技術者が東京港区の本社の一角で悪戦苦闘してきた。高い技術の壁は犬型ロボットとしてメカニカルな完成度を大幅に高めることと、顧客の家族の一員として愛されるために多くを学べる賢さだった。

「これでは大きすぎる。とても犬には見えない」――。開発メンバーたちは初期段階の試作品をみて大きなため息をもらした。最終商品から二回り以上も大きく、かわいい犬というイメージからかけ離れていたからだ。

新型アイボは初代と異なり丸みをつけたデザインで、「首をかしげる」「腰を振る」ような愛らしい動きを忠実に再現することが求められた。それには中核の駆動部品「アクチュエーター」を数多く搭載する必要があり大きくなる。ネジ1つも外に見せないようにするために設計は難しい。

川西氏はソニーが昔からカセットデッキなど回転するメカ機構を持つ商品で培った精密技術を活用できるとみていた。特にデジタルカメラ部隊が同技術を継承しており開発でも活躍した。

その筆頭格がデジカメ部門出身の石橋秀則氏と伊豆直之氏だ。石橋氏が中心となり新型アイボ向け専用アクチュエーターを自作し、首をかしげるような動きが可能になった。鼻の部分に搭載したカメラは目の前の人の顔などを、背中部分に搭載された「SLAMカメラ」では部屋の中を撮影する。撮影したデータをAIで分析し、障害物を避けながら歩き回ったり、最も好きな飼い主に近づいたりできる。

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