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スピードスケート小平 頂点へ「日々自分超え」

平昌へ メダルへの道

この2シーズン、すごみすら感じる滑りを繰り返している。スピードスケートの小平奈緒(31、相沢病院)は完全無欠の成績を残してきた。

小平の国内外の500メートル連勝記録は「24」に伸びた

主戦場の500メートルは、今季のワールドカップ(W杯)で12月に日本新記録をマークするなど7戦全勝。年末の五輪代表選考会も国内最高記録を出して五輪前最後のレースを締めくくった。一昨年の10月から始まった国内外の連勝記録は実に「24」にまで伸びた。さらに1000メートルでもW杯で優勝を重ね、12月には世界新記録をたたき出した。平昌五輪での頂点へ驀進(ばくしん)している。

向かうところ敵なしの金メダル最有力候補。だが、本人の口からは「金」はおろか「メダル」という単語は出てこない。4年前のソチ五輪シーズンのころは、自身の順位や五輪2連覇の李相花(韓国)を意識する発言もたびたび聞かれたが、今はそれもない。

五輪初出場となった2010年バンクーバー大会で団体追い抜き銀メダルに輝いた小平は「ソチ五輪のときは『いい成績を残さなくてはいけない』というプレッシャーがあった」と振り返る。だが、いわば勝って当然という立場で臨む今回の平昌五輪は、重圧はみじんも感じさせない。小平は言う。「常にライバルは自分自身だと思っている。自分がしっかり進むために、自分というライバルを超えていかないといけない」。モットーにしているのは「日々、自分超え」だ。

14年ソチ五輪で500メートルが5位、1000メートルで13位とメダルを逃した後、単身で強国オランダへ渡り、2シーズンを過ごした。アドバイスを受けてフォームを修正し、世界トップ選手の練習を間近で見た。収穫は数多くあったが、中でも大きかったのが、スケートに対する考え方の変化だったのではないか。

オランダに行き、チームメートの練習などを見て、スケートが文化として根付いていることを肌で感じた。「スケートってどういうふうに楽しむんだっけ、と自分の中で整理できた」という。3歳で氷に乗り、幼い頃からずっと、どうやったら速く滑れるのか考え抜き、ワクワクしながらスケートと向き合ってきた。そんな探究心の塊は原点回帰し、順位という結果にとらわれることなく、自身の限界を打ち破る速さを追求している。

自分との戦いより、誰かに勝つ戦いの方が気持ちは楽なのではないか、と小平に尋ねたことがある。回答は明快だ。「誰かに勝つというのは、(相手に)お願いだから遅く滑ってとは言えないし、自分でコントロールできない。だからそれは余分なこと。自分が強くなれば相手より速い。その方がタイムももっと先の方までいけると思う」

己との戦いに打ち勝ったとき、追い求めてきた「究極の滑り」が完成する。(金子英介)

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