2018年9月23日(日)

米の自然災害、被害額は過去最高の約35兆円
ハリケーンや山火事で 保険業界に打撃

2018/1/9 16:50
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 【ニューヨーク=平野麻理子】米海洋大気局(NOAA)は8日、2017年に米国内で起きた自然災害による被害総額は3060億ドル(約34兆6000億円)に達し、過去最高だったと発表した。南部に複数の大型ハリケーンが上陸し、西部では乾燥による山火事が広がったことが主因。18年も年明けから東部を大寒波が襲い、自然災害が市民生活や経済に与える影響が深刻化している。

 17年は8月下旬~9月に、大型ハリケーンの「ハービー」「イルマ」「マリア」が相次いで米南部を直撃し、洪水被害が広がった。251人の犠牲者を出したほか、全米有数の石油産業の集積地が暴風雨に見舞われ、ビジネスへの影響も目立った。年間の被害総額のうち9割弱にあたる2650億ドルがハリケーンによるものだった。

 西海岸のカリフォルニア州では、10月以降大規模な山火事が相次いで起きた。NOAAによると被害額は180億ドル、死者は54人にのぼった。ワイン産地のナパ・ソノマ地区でも大きな山火事が起きた。NOAAは自然災害の増加と地球温暖化の関係について、コメントは避けた。

 度重なる自然災害は、保険業界に大きな打撃を与えた。ミュンヘン再保険によると、業界全体の保険損失額は1350億ドルで、1980年以降で過去最高となった。米保険会社のAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)やメットライフではハリケーンによる保険金支払いが増え、17年7~9月期決算の損益が赤字に陥った。

 18年は年明け早々に米中西部と東部が大寒波に襲われ、複数の死者が出た。鉄道や航空便にも大きな影響が出て、米インフラの老朽化が改めて浮き彫りになった。

 ハーバード大学のジェームズ・マッカーシー教授らのグループは「異常気象による経済的な損失は急速に増えている」と指摘している。米トランプ政権はこのほど決まった税制改革と並んで、大規模なインフラへの投資を掲げているが、政策実現への具体的な進展はまだみえていない。

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