エヌビディアCEO、VWなど320社と協業 高速半導体

2018/1/8 19:55
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【ラスベガス=工藤正晃】米エヌビディアは7日(日本時間8日未明)、人工知能(AI)や自動運転の機能を高める高速処理の半導体システムを発表した。独フォルクスワーゲン(VW)は2020年に発売する電気自動車(EV)などのAIで、エヌビディアの開発基盤を採用する。米ウーバーテクノロジーズとも自動運転の技術で連携を強める。車分野で約320社との協業を明らかにし、次世代車の心臓となる車載システムの半導体の供給を増やす姿勢をアピールした。

ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が7日、米国で開幕する家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」の開幕に先駆けて、会見を開いた。エヌビディアは大量のデータを高速処理するGPU(画像処理半導体)の世界大手。主力のゲーム分野だけでなく、自動運転を支えるAIやネット接続で外部とつながる「コネクティッドカー」などで、技術競争が激しい自動車向けの開発基盤(プラットフォーム)で存在感が増す。

トヨタ自動車や独アウディ、独ボッシュといった大手も含め、約320社が同社の技術を使い、自動運転などの技術開発を進めているという。ファンCEOは「10兆ドル規模の交通産業で、自動運転などの技術を支える」と強調した。

VWはエヌビディアの次世代のGPUを搭載したAIの開発基盤を採用し、自動運転や車内での新しいサービスを開発する。VWは22年までに60億ユーロをかけて20車種以上のEVの販売を計画。EVなどで顔認識で車のカギを解除したり、運転手の動作や声で車内の機能を操作したりする新しい体験を開発する。そのベースにエヌビディアの半導体を製品で、VWのハーバート・ディエスCEOが登壇し「AIは車をポジティブに大きく変える」とし、エヌビディアとの協業で「次世代車の開発を組み、未来への一歩を踏み出せる」と持ち上げた。

エヌビディアの次世代GPUを搭載したチップシステムは小型で、90億個以上のトランジスタを持ち、自動運転向けの性能の高さを強調した。3カ月以内に供給を始める。これまでの製品に比べて消費電力が少なく、エネルギー効率が15倍高い。自動運転では車載カメラやレーダーからの大量のデータを処理し、車の位置や人、物などの障害物を把握したり、最適な経路を判断して操作したりする必要がある。

運転手なしで走る「ロボットタクシー」の開発向けに設計された「ペガサス」は複数のGPUなどが搭載され、1秒間に320兆の信号処理をできるという。18年半ばから供給し、運転手を必要としない「レベル5」と呼ばれる完全自動運転の技術の実用化につながる可能性がある。ロボットタクシー分野ではすでに25社以上がエヌビディアの技術で開発を進めている。

ウーバーもエヌビディアのAIを使い、貨物トラックやライドシェア向けの自動運転技術の開発を加速する。すでにボルボ製の多目的スポーツ車(SUV)での自動運転の実験車両にはエヌビディアのGPUを搭載している。ペンシルベニア州やアリゾナ州で自動走行の実験をし、直近の100万マイルの実験は100日間で達成。高性能のGPUを活用して、完全自動運転車の開発も進めている。

自動車業界は電動化や自動運転、シェアリング、コネクティッドカーといった技術革新で自動車の利用方法や移動の仕方が大きく変わる可能性がある。いずれも大量のデータの正確な処理が欠かせず、次世代車の開発を巡って、自動車メーカーやライドシェア企業、半導体メーカーなどの協業が激しさを増している。

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