2018年11月15日(木)

トランプ政権の内幕本、売り切れ続出 大統領は反論

2018/1/7 18:00
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【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権の内幕を描いた書籍「炎と怒り」の売れ行きが好調だ。米メディアによると、5日の発売以降、主要都市の書店では売り切れが相次いでいるという。政権に批判的な内容が満載なだけにトランプ大統領が出版差し止めを求めたものの、それが反響を増幅する皮肉な結果を招いている。

「作り話だ。これは侮辱だ」。トランプ氏は6日、ワシントン郊外の山荘キャンプ・デービッドで記者団の質問に応じ、重ねて書籍を批判した。「米国は名誉毀損の法律が十分に整っていない。もしそうでなければ、こんなことは起きなかった」とも語った。

本の内容が発売前に一部メディアによって明らかになった先週、トランプ氏はその内容に激怒した。弁護士を通じて著者であるジャーナリストのマイケル・ウォルフ氏と出版元に出版の差し止めを要求。しかし、ウォルフ氏は発売を9日から5日に前倒しした。

こうした経緯も宣伝効果となって本は全米で話題を呼び、ベストセラーとなりつつある。ワシントンの書店には深夜に行列ができ、アマゾン・ドット・コムなどオンライン書店でも売り上げランキングでトップを占める。

トランプ氏が反発する一因に、この本がトランプ氏の大統領としての資質に疑問を投げかけていることがある。ウォルフ氏はトランプ氏を「説明資料1ページをまともに読み通せない」などと酷評。複数の政権幹部が同氏の理解力や知能を疑問視し、陰で「ばか」(ムニューシン財務長官)、「能なし」(コーン国家経済会議委員長)とけなしていると指摘した。

このため、トランプ氏は6日のツイートで「私は賢いというよりも天才だ。安定した天才だ!」と反論。不動産会社の経営やテレビ司会者を長く務めた経験に加え、初挑戦で大統領の座を射止めたことを自賛した。

政権運営に関しては、準備不足をうかがわせる記述もある。ウォルフ氏は「まともな大統領ならすぐに答えが出るはず」の「政権にとって3つの優先事項は何か」という質問に対し、クシュナー上級顧問は政権発足から6週間後の時点で何も答えられなかったとしている。長女イバンカ氏がトランプ氏の独特の髪形について、友人との会話で笑いの種にしているとの記述もある。

ウォルフ氏はトランプ氏を含め200件以上のインタビューを実施したとされる。トランプ氏は「彼は私にインタビューしたと言うが、彼の想像だ」と主張した。

米メディアの間では、事実関係の信頼性を疑問視する向きもある。本の内容がクシュナー氏との路線対立の末にホワイトハウスを去ったバノン前首席戦略官・上級顧問の情報に依拠しすぎているとの見方も出ている。

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