2019年5月25日(土)

2018企業どう動く(下) ヤマト、配送維持へ自動運転

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2018/1/8 6:30
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(1)ヤマト運輸

深刻な人手不足が続く物流業界。2018年は人材の争奪戦がますます激しくなり、人件費の高騰を受けた値上げの動きも広がりそうだ。宅配最大手のヤマト運輸など物流各社は自動運転技術やドローン(小型無人機)といった新技術の導入に取り組むなど配送網の維持に懸命だ。

ヤマト運輸は2018年度中に自動運転による宅配実験を計画する

ヤマト運輸は2018年度中に自動運転による宅配実験を計画する

ヤマトはネット通販の荷物の増加で従業員の長時間労働が問題となり、19年度までに夜間配達専門の運転手を1万人配置する計画を立てている。個人事業者の運転手を契約社員として採用するなどして確保する考えで、正社員の残業時間の半減を目指す。

とはいえ、業界全体で見ても人手不足の抜本的な解消のメドは立たない。配送員への負荷が大きい再配達の削減など配送を効率化するため、各社は先端技術を積極的に取り入れようとしている。

ヤマトはディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで、自動運転技術を活用した宅配サービス「ロボネコヤマト」の実用化を目指している。

17年4月から神奈川県藤沢市で実証実験を開始。利用者が指定した場所と時間に自動運転車で荷物を届ける。地域の集配所から受取人までの「ラストワンマイル」の効率化が大きな狙いだ。現在は安全確保のために人が乗り込むが、18年度中に一部区間で自動運転を取り入れる計画だ。

ヤマトだけではない。日本郵便は18年度中に宅配便の輸送にドローンの本格導入を目指している。17年11月に長野県伊那市で郵便局と道の駅の2キロメートルを輸送する実証実験を実施した。規制や安全面の課題があるため、実用化に当たってはまず郵便局間の輸送への導入を検討している。

国土交通省の主導で「後続無人隊列走行」の実証実験も18年度中に始まる予定だ。高速道路での長距離輸送の効率化を目指しており、先頭のトラック車両は人が運転するが、その後ろを追走する2~3台は無人運転を想定する。長距離トラックは特に運転手が不足しており、物流各社が共同で参加する仕組みにしたい考えだ。

先端技術の活用を進めても当面のコスト上昇をカバーできないのも事実で、運賃の上昇は避けられそうにない。

ヤマトと佐川急便は17年10~11月に個人向け料金を引き上げた。18年3月には日本郵便が宅配便「ゆうパック」を平均12%値上げする予定だ。東京―大阪間の最安料金は現行の840円から950円に上がる。

運転手不足は企業間物流を手掛ける運送会社も同じ。福山通運は1月中に値上げを専門に担当する部署を設ける。一部の荷主との値上げ交渉を直接担うほか、各営業所の指導にも当たる。18年に16年度比1割の値上げを目指す。西濃運輸も17年度下期に前年同期比1.8%の値上げを見込む。物流コストの上昇は消費財などの価格にも大きな影響を与えそうだ。

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