2018年9月20日(木)

腕も腰もパンパン…クラフトビール醸造、記者がトライ

コラム(ビジネス)
(2/4ページ)
2018/1/5 6:30
保存
共有
印刷
その他

■中腰の作業、腕も腰もパンパン

掃除に始まって掃除に終わる

掃除に始まって掃除に終わる

 この工程で1時間半かかる。次は煮沸とホップの投入。ビールに苦みや香りをつけ、腐敗を防ぐ重要な工程だ。その前にあく取り。80度以上の麦汁から出てくるアクをひたすらすくう。またメガネが曇る。神谷さんがつぶやいた。「あくを取る醸造所は少ないみたいですけどね」。じゃあなんのために……。「でも味が違う気がする」のだとか。ホップを入れるとさわやかな、どことなく甘い匂いが広がった。

 煮沸の間は糖化槽から麦芽の殻をかき出す清掃作業。タンク下部から棒を突っ込む。水を吸った殻は重い。しかもまた中腰だ。狭いのであちこちに棒が当たって作業しづらい。思わず愚痴をこぼすと「ぎりぎりの設計なのでスペースに余裕はない」と怒られてしまった。

 次にメープルシロップを入れる。作業場で甘い匂いが強まった。さらに一煮立ちし、冷ましてから発酵タンクに移す。その前に麦汁をグルグルとかき混ぜて渦を作り、オリを中央に寄せる作業がある。「棒を垂直に入れ、水平に早く回して」。もう腕も腰もパンパンだ。それに立ちっぱなし。

 時計を見れば午後1時過ぎ。ランチはどうするのか。「普段は食べていないですね」。発酵タンクに移して糖分をアルコールに分解する酵母を入れて一段落。後は1カ月弱の発酵を待って完成だ。もちろん最後も作業場の掃除で締めくくる。

 疲れた。振り返ると運んでかき混ぜての力仕事と掃除ばかり。ここまで体力と注意力が求められるとは。ビール作りの大半は清掃作業だ。

 神谷さんのもとにはビール作りに挑戦したいと訪ねてくる人が多い。だが誰でもできる仕事ではなく、向いているのは衛生管理など「地味でマメで神経質な人」。やっぱり自分には向いていない。ビールは飲むに限る。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報