2019年6月19日(水)

米、核放棄へ圧力重視の原則崩さず 北朝鮮による分断工作警戒
南北チャンネル開設は容認

2018/1/4 15:22
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【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権が北朝鮮の韓国への接近を警戒している。にわかに対話に前向きになった北朝鮮の狙いが、米韓両国の分断や自らへの経済制裁の緩和にあるとみているためだ。近く北朝鮮がミサイル発射に踏み切るとの観測もあり、核放棄に向けて圧力を強める路線を維持しつつ北朝鮮の出方を見定めている。

「彼らは隣国で、そうした対話をする権利がある。米国としては問題ない」。米国務省のナウアート報道官は3日のFOXニュースで、韓国と北朝鮮の「南北連絡チャンネル」の再開を容認する立場を示した。韓国・平昌冬季五輪への北朝鮮の参加問題などを話し合うという目的に一定の理解を示した格好だ。

ただ、米政権では北朝鮮の本音について疑念が渦巻く。ナウアート氏はその前日の記者会見で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の意図について「米韓関係にくさびを打とうとしているのかもしれない」との見方を示している。3日には「韓国とは朝鮮半島の非核化という共通の目的があり、同じ考えを持っている」と米韓両国で足並みがそろっていることをわざわざ強調してみせた。

機運が急速に高まる南北対話に米国が懐疑的なのは、北朝鮮がこの機をとらえ、かねてめざしている米韓合同軍事演習の中止や制裁の緩和につなげようとしているとみているためだ。

朝鮮半島有事を想定した定例の野外機動訓練「フォール・イーグル」と指揮所演習「キー・リゾルブ」は2月ごろから始まり、2月9~25日の平昌冬季五輪、3月9~18日のパラリンピックと時期が重なる。米国は韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が提案している五輪期間中の米韓演習の延期には柔軟な姿勢を示すが、中止には応じない方針だ。

米国としては、北朝鮮との対話は核放棄に向けた行動が前提で「核放棄に同意するまで米国は(対話を)認めない」(ヘイリー米国連大使)のが原則。韓国や日本などと連携して北朝鮮に「最大限の圧力」をかける構えを崩していない。

サンダース大統領報道官は3日の記者会見で「対北朝鮮政策は何も変わっていない」と繰り返した。これも、韓国が過度に融和姿勢に傾くのをけん制する側面がある。かねてトランプ政権は北朝鮮との対話に前向きな韓国の文大統領への不満がある。「平和の祭典」という性格を持つ五輪を巡る話し合いには一定の理解を示しつつ、なし崩し的に制裁緩和につながるような事態を避けたい思惑が透ける。

とはいえ、南北対話の行方も北朝鮮の出方次第だ。米メディアは来週にかけて北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に踏み切る可能性があると伝えている。追加の挑発行為に出た場合、南北チャンネル再開に冷や水を浴びせ、五輪参加問題や米韓演習の延期などにも影響が及ぶことになる。

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