2018企業どう動く(上) 東芝「物言う株主」に戦々恐々

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2018/1/6 6:30
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堅調な世界経済や円安基調の為替など、日本の産業界には追い風が吹く。それだけに経営者の力量次第で攻めの戦略を加速することも、地に落ちた信頼を取り戻して業績を立て直すことも可能だ。戌(いぬ)年を迎え、注目企業がどう動くかを追った。

(1)東芝

厳しいかじ取りが続く綱川社長

厳しいかじ取りが続く綱川社長

経営再建中の東芝の2018年の課題は収益基盤の再構築だ。17年は米国の原子力発電事業での巨額損失で、上場廃止の危機に直面した。昨年12月の6000億円の増資で2期連続の債務超過を回避し、上場維持のメドをつけたが、残る事業で成長を目指すのは容易ではない。大型増資で加わった「物言う株主」たちへの対応も焦点となる。

東芝は17年の1年間を費やして上場維持にメドをつけた。だが医療機器部門に次いで営業利益の大半を稼ぐメモリー事業を売却し、残った事業で高収益を稼ぐのは厳しい。

収益の柱に据える社会インフラ事業は国内市場が飽和状態。エレベーターや鉄道、水処理システムを手掛けるインフラシステム部門と火力発電用タービンが主力のエネルギーシステム部門は苦戦を強いられ、18年3月期の営業利益(見込み)は500億円に及ばない。

「もともと原発や半導体の陰に隠れていた脇役」(東芝関係者)だったが、急きょエースとして登板することになった。米ゼネラル・エレクトリックや独シーメンス、日立製作所三菱重工業など強豪ぞろいの市場で、勝ち星を挙げられるのか、予断を許さない。

「新生東芝」の指針となる中期経営計画を今春にも発表する見通しで、株式市場や取引先から信頼と期待を取り戻せるか、最初の課題となる。

内部管理体制の改善も途上だ。内部管理に問題がある特設注意市場銘柄からは解除されたが、日本取引所自主規制法人の佐藤隆文理事長は「優れた内部管理体制を誇るエクセレントカンパニーになったというような誤解は抱かないように」とくぎを刺した。

もうひとつ経営陣が苦慮しそうなのが物言う株主だ。6000億円の増資に応じたファンドの顔ぶれには、旧村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネージメント、米エリオット・マネジメントなどがずらりと並んだ。

企業経営者との交渉に手慣れたファンドがどのような要求をしてくるのか。物言う株主は30~40%のリターンを要求することが多い。東芝がまとめる新計画に納得せず、一層のリストラや改革、株主還元を求める可能性がある。綱川智社長は今年も厳しいかじ取りを迫られそうだ。

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