2018年7月23日(月)

金正恩氏、核・ミサイル「大量生産と実戦配備に拍車」
新年の辞 平昌五輪に「選手団派遣の用意」

2018/1/1 17:40
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 【ソウル=山田健一】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は1日午前、2018年の「新年の辞」を発表した。「核のボタンは私の事務室の机の上にいつも置かれているのが現実だ」と強調。核弾頭と弾道ミサイルを量産して実戦配備を推進するよう指示し、米国を威嚇した。一方で韓国で2月に開幕する平昌冬季五輪に「選手団を派遣する用意がある」と語り、五輪を機に南北対話を探る考えを示した。

 北朝鮮の施政方針にあたる「新年の辞」は国営メディアの朝鮮中央テレビが放映した。グレーのスーツ姿で登壇した正恩氏は17年に打ち上げた大陸間弾道ミサイル(ICBM)に触れ、「(北朝鮮は)いかなる核の脅威にも対応できる。米国が冒険的な火遊びをしないようにする強力な抑止力ができた」と国家核戦力の完成を自ら宣言した。

 「米国本土全域がわれわれの核攻撃の射程圏内にある」と改めて主張し、「米国は決して我が国を相手に戦争できない」とけん制した。その上で「威力がきちんと保証された核弾頭と弾道ミサイルの大量生産と実戦配備に拍車をかけるべきだ」と朝鮮人民軍に命じた。

 同氏は17年の新年の辞でICBMの「発射実験準備が最終段階にある」と明かし、朝鮮半島を巡る米朝間の緊張が一気に高まった。1年間の成果を誇示し、北朝鮮国内の結束をはかる狙いとみられる。「完成」を受けて、北朝鮮が挑発をやめて国際社会との対話に乗り出すかが今後の焦点になりそうだ。

 約30分間の演説の終盤。正恩氏は平昌冬季五輪に言及し「大会が成功裏に開催されることを心より願う」と語った。北朝鮮は、韓国が望む同五輪への選手団派遣について意思表明を避けてきたが、「南北当局が至急に会うこともできる」と前向きな姿勢をみせた。

 18年は北朝鮮にとって建国70年の節目の年にあたり、「南北共に意義深い年だ」とも指摘した。「民族史に特筆すべき重大な年として輝かせるべきだ」と言明し、南北関係の改善に意欲を示した。北朝鮮が、国際社会と対話に乗り出す可能性を示したとも受け取れる。ただ「朝鮮半島の安全と平和を破壊する行為には断固対応する」と米韓合同軍事演習の中止を求めており、対話が実現するかはなお不透明だ。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の首都平壌では1日午前0時を迎えて花火大会が催されたほか、様々な行事が開かれた。氷の彫刻の展示会では弾道ミサイルを模したとみられる彫刻も披露された。

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