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井上尚TKO圧勝、強敵求め18年はバンタムへ

2017/12/30 23:07
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 数少ない波乱要因と思われた6センチの身長差、7センチのリーチ差もあってないようなものだった。「距離感をつかみたいと思って」様子見でスタートした初回、早々に相打ちの左フックがどんぴしゃで挑戦者の顔面をとらえた。この回終盤に再びの左フックでなぎ倒した時点で、ほぼ勝負は決したといっていい。

 いずれも左ボディーでマットにはわせた3回の3度のダウンは、挑戦者の悲鳴が聞こえてくるようだった。その圧倒的なパフォーマンスに、会場もこれまでのボクシング世界戦とは空気感が違う。我らが王者の攻勢に上がる歓声よりも、傑物の驚くべき強さに感嘆とどよめきが支配した。

 勝ちっぷりに加え、試合後の表情も24歳を怪物たらしめた。ニコリともしなかったのだ。「物足りないと言ったら相手に失礼だけれど、もっとヒリヒリする試合をしたい。喜べないというか」

 丸3年で7度の王座防衛を果たしたスーパーフライ級にこの試合限りで別れを告げ、2018年はバンタム級に戦いの場を移す。厳しい減量や拳のケガを乗り越えた防衛ロードは「いい経験を積めた」一方で、不完全燃焼の念も残した。対戦を望んだ国際ボクシング連盟(IBF)王者アンカハス(フィリピン)との統一戦をはじめ、「やりたいと思った相手とできなかった」からだ。

 新天地で追い求めるのはただ一つ、強豪たちとのビッグマッチ。現役続行を決めた山中慎介、山中からベルトを奪ったネリ(メキシコ)ら実力者がしのぎを削る。「チャンスがあればどこへでも行きます」と高らかに宣戦布告した。(山口大介)

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