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4連覇狙う青学大、総合力で挑む 箱根駅伝

東海大・神奈川大と三つどもえ

21チームが新春の箱根路を駆け抜ける第94回東京箱根間往復大学駅伝が2、3日に行われる。今回は混戦模様。1強時代を築き、史上6校目の4連覇を目指す青学大の牙城を崩そうと、東海大や神奈川大が気勢を上げる。全10区間のバランスを考えるのか、往路重視で逃げ切りを狙うのか。各大学の戦略も見ものだ。

今回は「ハーモニー大作戦」

各チームの監督が出席した10日の記者会見。ここで青学大・原晋監督による作戦名の発表が例年の恒例となっている。これまで「ワクワク大作戦」「ハッピー大作戦」「サンキュー大作戦」と話題をさらってきたが、今回名付けたのが「ハーモニー大作戦」。原監督は「今年はでこぼこな駅伝。音楽でたとえるなら調和がとれていない。私もしっかり指揮を執らないといけない」と語った。

危機感を募らせた背景には今季の駅伝の消化不良がある。出雲駅伝は2位、全日本大学駅伝も3位。昨季、大学駅伝三冠を果たした王者は苦杯をなめた。いずれも1区で出遅れて2区で挽回。ただ、その後は追い上げきれなかった。1区間20キロ以上の箱根で勝つには全員がベストとはいわないまでも、いかにミスなくたすきをつなげるかが肝要。実力と経験は十分備えているだけに、本番までにうまくかみ合ってほしいという願いが作戦名に込められている。

キーマンに挙げるのが、1万メートルをチームトップの28分18秒31で走る田村和希(4年)だ。出雲では2区で区間新記録をマーク。学生駅伝に8回出場して6回も区間賞獲得という圧巻の成績も心強い。チームで唯一、1年生から箱根を経験しているが3区は初めて。1、2区をうまく乗り切れば、ここでトップに立てそうだ。

青学大は史上6校目の4連覇を目指す

2016年の東京マラソンで2時間11分34秒を記録した下田裕太(4年)もチームを支える主力。ただ、出雲後はマメの影響で調整がうまくいかず、全日本では精彩を欠いた。原監督は、一度は山上りの5区での起用を示唆したが、補欠に回した29日の区間エントリーでは「山はいきませんね」とにやり。どこで起用するかは注目だ。

大黒柱だった一色恭志(現GMOアスリーツ)が卒業。ひとりでレースの流れを変えられる選手はいなくなったが、2区の森田歩希(3年)や復路6区の小野田勇次(3年)ら実力がある選手がそろい、「10区間全体で調和をとりたい」と原監督。過去、3連覇したチームは必ず4連覇していることも追い風になりそうだ。

青学大への対抗意識を燃やすライバル校は出雲や全日本のように、序盤で先行して慌てさせたいところ。出遅れは禁物で、主力を往路につぎ込んできた印象だ。

東海大はトラックでのスピードを強化し、箱根に挑む=共同

東海大、「打倒青学大」を明確に

「打倒青学大」を明確に掲げてきた東海大はトラックでのスピードを強化し、箱根に挑む。1万メートルの上位10人の平均タイムは出場校トップ。その余勢を駆って出雲を10年ぶりに制した。その立役者だった関颯人、阪口竜平、鬼塚翔太とスピード豊かな2年生たちを1~3区に配置。スタミナに自信を持つ主将の春日千速(4年)が4区に控える。

両角速監督は「箱根は別物」と冷静だが「就任7年目で一番手応えがある」。初の総合優勝を狙える戦力は整い、あとは20キロを超す距離への適応ができるかどうか。「他の大学と違った強化をしてきた。選手もワクワクしていると思う」と両角監督は語る。

青学大と東海大の2強という見方を三つどもえの戦いに変えたのが神奈川大だ。1997、98年と連覇しながら近年は長い低迷期にあったが、前回5位と躍進して12大会ぶりにシード権を確保。復活の兆しをみせて今秋の全日本は20年ぶりの優勝。7区まで上位でつなぎ、最終8区のエース鈴木健吾(4年)が逆転する最高の展開で、箱根の優勝候補に名乗りを上げた。

神奈川大は「往路優勝、総合3位以内」を目標に掲げる

前回2区で区間賞を獲得した鈴木健が学生長距離界でもトップクラスの選手に成長。今回も2区を託した大後栄治監督は「指揮をとって30年弱になるが、本当の意味でエースの育成ができた」と信頼を寄せる。鈴木健も「前回シード権を取ったことで一人ひとりが目標高く取り組んできた。1年生のときは夢物語だったが、いまは優勝が見えている」と自信をのぞかせる。1区山藤篤司(3年)が上位でつなぎ、鈴木健で首位に出て後続を引き離す。往路重視の展開がはまれば、目標に掲げる「往路優勝、総合3位以内」は現実味が帯びてくる。

三つどもえの戦いに割って入ろうと虎視眈々(たんたん)と狙っているのが東洋大や順大だ。東洋大は上級生の不振で1、2年生8人をエントリーする思い切った戦略で臨む。10年連続3位以内を目指している酒井俊幸監督は「(補欠も含めて)3人しかいない箱根の経験者が役割を果たして流れをつくり、フレッシュなメンバーが思い切った伸び伸びした走りをしてほしい」と期待を寄せる。

順大の強みは、3000メートル障害でリオデジャネイロ五輪に出場した塩尻和也(3年)、栃木渡(4年)、山田攻(3年)の3本柱がしっかりしていること。3年連続2区の塩尻は11月に1万メートルで日本学生歴代4位となる27分47秒87をマークした注目ランナー。5区山田は前回山上りを経験済みで「多少の遅れは取り戻せる」と長門俊介監督。上位をかき回す存在になれば、優勝争いはわからなくなってくる。

(渡辺岳史)

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