2018年9月19日(水)

「卒業より事業」 学生起業家に広がる中退

コラム(ビジネス)
スタートアップ
(1/2ページ)
2018/1/1 6:30
保存
共有
印刷
その他

 高校生起業家が億単位の資金を集める時代。大学生が社長を務めるスタートアップは、さらに本格的な成長ステージに入るケースが増えてきた。その裏側でじわり目立ち始めたのが、「大学卒業より事業優先」で中退を選ぶ若者たち。授業に出る時間を惜しみ、大卒という肩書にすらこだわらない彼らの価値観を探った。

【関連記事】
U―18起業家、輝く原石「21世紀少年」たち

■親には事後報告。進路は自分で

【立命館アジア太平洋大中退】Nitronの満田聖也社長

【立命館アジア太平洋大中退】Nitronの満田聖也社長

 「とにかく若いうちに社会で経験を積みたかった。世の中に新しい仕組みをつくりたい」。営業クラウドソーシングサービス「kakutoku」を手がけるNitlon(ニトロン、東京・渋谷)社長の満田聖也(22)は2017年春、大学をやめ事業に絞った。会社設立から2年弱、平均年齢が6歳上の社員たちを率いる満田の語り口は落ち着き払っている。

 熊本商業高校時代は米アップル創業者のスティーブ・ジョブズに憧れ、地元熊本でプレゼンテーションをしあう団体「FDM」を主催。30~50歳代の中小企業経営者らと毎月、議論を交わした。

 世界で活躍できる能力を得ようと、留学生が多く英語での授業が過半の立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)に進学。だが1年生の時、縫製クラウドソーシングのシタテル(熊本市)にインターンをすると起業がぐっと身近になった。シタテル社長の河野秀和(42)から営業統括を任され、セレクトショップなどを回り自信をつけた。

 その過程で「営業には前近代的な曖昧さが残る。営業プロセスにデータを活用できないか」と着想。16年2月、営業人材を効率的に求める企業と営業のプロをマッチングするサービスを開始。コロプラの投資子会社コロプラネクストから1000万円の投資も受けた。

 2年間の休学の間に顧客企業は増え続け、本社は東京に移転。東京から別府まで通うわけにもいかず、17年春に中退した。「親には事後報告した。これまでも自分で進路を決めてきた」とさらり。取引先は400社に達し、手応えも感じている。

【筑波大中退】ベアテイルの黒崎賢一社長

【筑波大中退】ベアテイルの黒崎賢一社長

 対照的に「中退を親に話したときは絶句していた」と苦笑いするのは、クラウド経費精算サービスを手がけるベアテイル(東京・千代田)社長の黒崎賢一(26)だ。

 小さい頃からのIT(情報技術)オタク。私立武蔵高校在学中の16歳からIT雑誌向けに学生ライターとして寄稿し、小遣い稼ぎをしてきた。10年に筑波大学に入学し、12年に「無駄な時間を世の中から省きたい」と学友2人と起業した。

 1億円以上の資金調達も続け、順調に成長するなか17年春に大学を中退。大卒の肩書よりも事業に懸ける情熱が上回った。親も息子の会社の評価額を聞いて納得するようになったという。

  • 1
  • 2
  • 次へ

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報