2018年10月23日(火)

U―18起業家、輝く原石「21世紀少年」たち

コラム(ビジネス)
スタートアップ
フィンテック
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2018/1/1 6:30
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2018年の年が明けても18歳以下の「U―18起業家」が表舞台に出てきた。00年以降に生まれ、幼少期からスマートフォン(スマホ)を使いこなし、あふれる情報に触れてきた世代。固定概念に縛られず、軽やかに億単位のカネを集める。そんな「21世紀少年」たちが織り成すのはどんな未来なのだろう。

■16歳、1億円調達「全然少ない」

夜の街・六本木。バーやカラオケ店が立ち並ぶネオン街のオフィスで山内奏人(16)は働いている。「仕事帰りに補導されないかドキドキしてます」と笑う顔は、どこにでもいる高校2年生だ。

クレジットカード決済アプリを手がけるワンファイナンシャル(東京・千代田)の最高経営責任者(CEO)。15歳だった16年5月に起業した。国立大の付属校に通い、授業が終わると六本木に毎日出勤してシステム開発に取り組む。

「僕らが大企業に負けないのは、熱量くらい」。2人いる仲間は30代。年明けにはさらに開発者を採用する予定だ。

同社はカード決済サービス「ONE PAY」を運営している。お金を支払う人のクレジットカードを、売る側がスマホのカメラでスキャンするだけで決済できる。

「お客さんに『カード払いできますか』と言われて、その瞬間にダウンロードして使えるくらいのスピード感」を目指す。17年8月からサービスを始め、月間の決済額は数千万円に達した。

サービス開始の翌月にベンチャーキャピタル(VC)のインキュベイトファンド(東京・港)とD4V(同)から総額1億円を調達した。代表パートナーの本間真彦(42)は「キャッシュレス化が進む中で、すぐに多くの人が使えるアイデアに魅力を感じた」と話す。山内については「起業家の中で突出して若いが、出資する上で年齢は全く気にしなかった」。

一方の山内。「身の丈に合わない額を調達して人生を賭けていますよ。でも世界で戦っていくにはまだ(1億円は)全然少ない」と言い切る。

そもそもクレジットカードも持っていない高校生がなぜフィンテックなのか。山内は「決済のデータが面白いと感じたから」と明かす。さらに業界の特性も指摘する。「銀行は決済や預金、貸金をずっとやってきたが、デザインの力で変えられる。めちゃくちゃでかい産業なのに、こんなに変えられる業界は他にない」

ワンファイナンシャルの山内奏人CEO(16)

ワンファイナンシャルの山内奏人CEO(16)

小学生だった12年に「中高生国際Rubyプログラミングコンテスト」15歳以下の部で最優秀賞を勝ち取った。6歳の時、家に放置されていた父親のノートパソコン。ワードやエクセルで一通り遊んだ後、プログラミングにのめり込んだ。

「それまで自分に自信がなかった」というが、コンテストでの受賞を機にスタートアップの経営者らが腕前を評価し、インターンとして声がかかる。彼らと触れあう中で起業は当たり前の選択肢になった。「個人でプロダクトを作っていて、カード会社と提携するときに『あ、会社作んなきゃ』ってなって」

起業してからは無我夢中。「同世代で一番失敗したのは自分だと思う。めちゃくちゃいろんな人に迷惑をかけてきた」

最近、かつて自分が優勝したコンテストで審査員を務め、入賞した小学生に度肝を抜かれた。「僕が生まれた01年はまだスマホがなかったけど、生まれた時からスマホがある子たちとは、すごい世代間ギャップがある」と真剣に話す。

元日のきょうも六本木に通い、サービスの開発を急ぐという。「怖くて休めない。休んでいる間に、競合他社がすごい勢いで開発しているじゃないですか」

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