外国人客、青森県へ続々 アクセス向上など奏功

2017/12/28 0:00
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東北地方の訪日外国人(インバウンド)観光で青森県が快走している。観光庁が27日発表した宿泊旅行統計によると、2017年1~10月の同県の外国人延べ宿泊者数は東北トップを維持。年間でも初めて東北一となる可能性が高まってきた。函館市など道南地域を合わせた「青函圏」を官民一体で海外に売り込み、空路新設などアクセス向上にもつなげた取り組みが奏功した形だ。

青森市の居酒屋「たか久」で津軽三味線ライブを楽しむ台湾人観光客

17年1~10月の東北6県でトップの青森は19万6千人で、宮城(18万5千人)、岩手(14万9千人)と続く。東日本大震災の前年の10年は青森は東北で5位だったが、徐々に順位を上げ、17年1~8月に初めて僅差でトップに立った。1~10月は2位の宮城に1万1千人の差をつけた。

青森県は北海道新幹線開業をにらみ、空路と新幹線、フェリーの青森―函館航路を最大限活用して交流人口を増やす「立体観光」戦略を推進。中国、台湾、香港、韓国の4カ国・地域を海外誘客重点エリアに位置づけ、三村申吾知事らが毎年トップセールスしたり、現地の旅行会社や影響力のあるブロガーらを県内視察ツアーに招請したりしてきた。

空路では、青森空港初の中国定期便となる中国・奥凱航空の青森―天津線が5月に就航。大韓航空は高い搭乗率を受け、週3往復だった青森―ソウル線を10月から週5往復に増便するなど、海外とのアクセスの利便性が一段と高まった。

客船誘致も早くから力を入れ、17年に青森港に寄港した大型クルーズ客船は22隻と東北トップ。19年には英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」が青森港に初寄港する予定だ。

十和田湖や八甲田といった有名観光地だけでなく、ディープスポットや体験型ツアーに足を運ぶ外国人も増えている。

つがる市の高山稲荷神社は北海道新幹線開業キャンペーンに、外国人に人気の京都の伏見稲荷大社と同じ鮮やかな朱色の「千本鳥居」の写真が採用されたことから観光客が急増した。工藤均宮司は「外国人参拝者はここ2、3年で3倍になった。多いのは台湾人で、漢字が分かるのでよくお札を頼まれる」と話す。

青森市の居酒屋「ねぶたの国たか久」は津軽三味線ライブなど青森の伝統文化を体験できるのが売りで、台湾人で連日にぎわう。「日本人よりアワビやキンキなど高い料理を注文するので経営的にもいい」(三上友紀店長)。青森県観光国際戦略局によると、「昭和大仏」の青龍寺(青森市)は精進料理や座禅体験が人気で、寄港した大型客船の上陸ツアーに組み込まれているという。

県観光国際戦略局の秋田佳紀局長は「先人の長年の努力が実を結び、青森にインバウンドの良い波が来ている。さらにコンテンツを充実し、県内全域に観光の効果が行き渡るようにしたい」と話している。

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