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7空港一括民営化、運営権で入札 地元連合も着々

2018へ 課題と展望(上)

2020年に予定される新千歳空港など道内7空港の一括民営化に向け、18年は運営権者の選定など具体的な作業が本格化する。国などが基本スキーム案を今年公表、民営化に向け大枠がほぼ整い、来春には募集が始まる。全国初の管理者が異なる空港の一括民営化は山場をむかえる。

道内13空港のうち、国が管理する新千歳、道管理の女満別、市管理の旭川など、管理者が違う計7空港を一括して民間委託する。国などは来年2月、入札条件を盛り込んだ実施方針を策定。3月に運営権取得に向けた応募要件を公表する。

運営権は数社を中核企業に据えた企業連合(コンソーシアム)が担う形式を想定している。実際にはコンソーシアムが設立する特別目的会社(SPC)が運営を担当する。基本スキーム案によると、国などは企業などによる入札を受け、18年7月の第1次審査で3者まで絞り、19年4月の第2次審査を経て同年6月ごろに運営権取得に向けた優先交渉権者を選ぶ。

企業も動き出した。新千歳空港ビルを運営する北海道空港(HKK、千歳市)は道外企業数社と組みコンソーシアムの結成を検討する。これに先立ち11月に運営権取得の入札参加条件を満たすため自治体の出資解消を決定。道や千歳市など5自治体への返還総額は60億円になった。「事業の実施主体になるという強い信念でやっていく」と住吉哲治会長は意気込む。

運営権獲得を巡る競争激化は必至だ。16年7月に民営化した仙台空港は、東京急行電鉄を中心とする企業連合が出資する運営会社が事業を担っている。ただ入札には同企業連合を含む4つのコンソーシアムが参加、審査に臨んだ。

国管理空港のなかで羽田に次いで高収益な新千歳を中心とする道内空港民営化の注目度は、さらに高いとみられる。5月に国と道などが開いた空港運営に関する企業向け説明会には約110の企業・団体の200人が参加した。

複数空港の一括民営化は、空港間が連携して観光客を誘致するといった戦略が取りやすい。観光客を各地に分散できれば、経済効果は全道に及ぶ。実際に道は、道内空港の年間乗降客数を15年度の2660万人から30年度に3000万~3500万人に、訪日客に占める来道者のシェアを、16年度の9.3%から20年度以降に12.5%以上に引き上げる目標を掲げる。

道は12月、HKK株の売却額24億円を原資に道内空港の機能強化を目的とする「北海道航空振興基金」の設立を決めた。新規路線の開拓や設備の維持・更新費に充てる。民営化対象外の6空港にも恩恵を行き渡らせる。これに加え、空港を運営するSPCへの道の出資も焦点になる。

航空会社にも動きがある。格安航空会社(LCC)大手のピーチ・アビエーションは、18年度中に新千歳空港を国内4カ所目の拠点とする計画だ。民営化で新千歳の魅力が高まれば、利用客増が見込めるためだ。道外への路線拡充も検討する方針で、道内に人を呼び込む好循環へ期待が高まる。(塩崎健太郎)

18年に節目を迎える空港民営化、鉄道路線見直し、北海道日本ハムファイターズの新球場構想を展望する。

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