2018年4月22日(日)

乗客の迷惑減らそう、JR東 振り替え運転拡大

2017/12/27 6:30
保存
共有
印刷
その他

 JR東日本は設備故障や人身事故などの発生時に別の路線で運転を続ける取り組みを加速する。貨物向けを含めた並走路線を迂回ルートとして設定し、運転士の訓練も合わせて実施する。輸送障害はなかなか減らない状態が続いている。迂回ルートの活用や折り返し運転といった振り替え運転の実施率を100%に近づけ、乗客の不満解消につなげる。

川崎駅付近で人身事故が起きた場合は横須賀線を使って運転を継続する(写真は駅の案内表示器)

川崎駅付近で人身事故が起きた場合は横須賀線を使って運転を継続する(写真は駅の案内表示器)

 振り替え運転については私鉄各社は以前から取り組んでいたが、JR東日本が本格化したのは5年ほど前。輸送障害に対する振り替え運転の実施率は当初の50%台から2016年度には94%まで高まっている。

 これを100%に近づけるため、JR東日本は貨物向けなど未使用だった線路のポイントを積極的に活用。運転士も迂回ルートで運転できるように訓練することで、別路線での迂回を進める。

 迂回ルートを使って運転を継続できる区間は東北本線と東北貨物線が並走する大宮―赤羽(東京・北)や、中央線の快速路線と各駅路線が走る三鷹―御茶ノ水、山手線と京浜東北線の田町(東京・港)―田端(同・北)など。16年度は20回実施した。

 例えば、川崎駅で人身事故が起きると、横浜駅と品川駅の間が不通区間になる。そこで横浜駅と品川駅の間をほぼ並走する横須賀線を使い、東海道線を走る電車を迂回させる。上下線で対応が可能で、通勤時間帯以外の日中なら対応できる。

 ただ、これら以外の場所で迂回ルートを設定するには線路のポイントや信号機を設ける必要があるため投資がかさむ。迂回ルートをさらに増やすのは難しく、振り替え実施率を高めるために、折り返し運転の本数も増やしていく計画だ。

 高崎線の本庄駅(埼玉県本庄市)などでは長い編成の電車が同駅で折り返せるように、ホームの拡張工事を進める。東海道線の茅ケ崎駅(神奈川県茅ケ崎市)では運行管理システムを改善することで折り返し運転に対応できるようにした。

 JR東日本で発生した輸送障害は16年度で1437件。この5年間は横ばい状態が続く。社内横断的な専門部署を設けて乗客からの要望や意見を集約する一方、輸送品質向上の対策も提案している。

 駅ではホームドアの設置などを進めて輸送障害を減らす一方、障害が起きた場合の振り替え運転も手厚くすることで顧客の利便性を高める。

(企業報道部 岩本圭剛)

[日経産業新聞2017年12月27日付]

春割実施中!日経電子版が5月末まで無料!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

関連キーワード



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報