2018年7月20日(金)

仮想通貨バブルに転機 ビットコイン、1日で29%急落

2017/12/23 22:00 (2017/12/24 0:00更新)
保存
共有
印刷
その他

 仮想通貨バブルに転機が訪れている。米国勢を中心に高値警戒感を強める投資家が利益確定売りを急ぎ、代表的な仮想通貨ビットコインの先週の下落幅は約5000ドル(約57万円)と週間で過去最大を記録。22日は1日の下落率が29%となり、リーマン・ショックなど他の市場の歴史的な急落記録を超えた。乱高下を抑える安全網が未整備で、投機マネーに翻弄される局面が続きそうだ。

 米情報サイトのコインデスクによるとビットコインの先週の下落幅は5016ドル(23日午後6時時点)。11月第2週(1050ドル下落)以来6週ぶりの下落で、2009年のビットコイン誕生以来最大の下げ幅だった。

 下落の勢いの強さを見せつけたのは22日夜。1万1000ドル(約124万円)を割った安値までの1日の下落率は28.7%に達し、08年のリーマン・ショック時の日経平均株価の下落率(11%)や英EU離脱投票のポンドの対円下落率(15%)など他市場の歴史的な急落の記録を超えた。

 価格急落の背景にあるのが、米国などで広がっていた値上がりを狙った投機だ。米国ではネット検索上位に「クレジットカードでビットコイン購入」という言葉が急上昇。借り入れでビットコインを購入している人が増えていることを示す。個人の投機マネーは価格が下落し始めると損失を防ぐ売りを急ぎ、価格の下落に拍車をかけやすい。

 先物の取引開始を機に機関投資家も売りに回ったもよう。18日に取引を始めたシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物の22日の売買高は2648枚と前日比2.5倍に膨らんだ。「ヘッジファンドが売りを浴びせた可能性がある」(国内取引所幹部)との声が出ている。

 米国では売りが優勢なのに対し、日本を含めたアジアでは投資家がビットコインを買い向かっている。仮想通貨取引所ビットポイントジャパンの小田玄紀社長は「ビットコインの22日の日本の取引所価格は海外に比べて30万円程度高く推移していた」と指摘。日本の個人には「下げた局面では追加投資したい」(20代の女性会社員)との声が根強く、買いの勢いが売りを上回っている。

 韓国の投資家はさらに買いの勢いが強い。韓国取引所KORBITの23日午後6時時点のビットコイン価格は日本円換算で約183万円。170万円前後の日本の取引所価格よりも高い値段がついている。こうした日韓をはじめとする投資家の押し目買いで22日夜に急落したビットコイン価格は23日夜には一時1万5000ドル台を回復した。

 急落後もビットコイン価格は年初の15倍の水準で、多くの投資家は含み益を抱える。利益確定売りで乱高下する展開が今後も予想されるが、中央管理者がいないビットコインは急変動を抑える安全網の仕組みが乏しい。

 日本株市場では取引所に株価指数先物が一定幅以上に動くと取引を一時停止するサーキットブレーカー制度があるほか、個別株でも1日の値動きの上下限(値幅制限)が決められている。為替市場では急激な変動時には政府が為替介入に動く。

 ビットコイン先物を上場したCMEや米シカゴ・オプション取引所(CBOE)はサーキットブレーカー制度を導入しているが、22日の急落を止めるには至らなかった。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報