2019年6月26日(水)

安保理、北朝鮮の追加制裁決議を採択 瀬戸際で修正も

2017/12/23 5:49 (2017/12/23 6:52更新)
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【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は22日午後(日本時間23日未明)、北朝鮮に対する追加制裁決議を全会一致で採択した。石油精製品の9割削減が柱。採決間際まで米国と中国、ロシアの交渉がもつれ込み、当初案で「海外の北朝鮮人労働者を1年以内に送還する」となっていた規定が2年以内に修正された。北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を繰り返した場合には、さらに石油の供給を制限すると警告した。

今回の決議では農産物や食品、機械、電気機器、土石類、木材、船舶が禁輸対象に加えた。米政府によると、これらは北朝鮮の2016年の輸出の1割を占める。前回の9月の制裁決議では主要産品の繊維製品が禁輸となり、過去の制裁とあわせて既に9割の輸入が断たれることになっていた。履行されれば、北朝鮮はほぼすべての品目で輸出ができなくなる。

新制裁ではガソリンやディーゼル燃料、灯油などの石油精製品の北朝鮮への年間供給上限を50万バレルとした。北朝鮮は2016年に450万バレルを輸入しており、9割減ることになる。前回の9月の決議で上限は200万バレルだった。原油供給の規定は中国に配慮し、「現状維持」としたが、新たに年間上限を「400万バレルまたは52万5000トン」と明示した。

海上輸送の監視も強化する。国連加盟国に自国の領海・港湾内で禁輸品を運んでいる疑いがある船舶を押収、検査、凍結できることを決めた。

ロシアが修正を求めた海外の北朝鮮人労働者は、北朝鮮の主要な外貨獲得手段となっている。前回の決議では国連加盟国に新たな就労許可を与えることを禁じたが、今回は2年以内にすべての労働者の送還が決まった。

米政府は北朝鮮が約10万人の労働者派遣で年間5億ドルを稼いでいるとみる。そのうち5万人が中国、3万人がロシアで働いているとされる。ロシアのサフロンコフ次席国連大使は会合で「現実的に2年が受け入れられる最短期間だ」と訴え、米国主導の性急な交渉のやり方にも苦言を呈した。

決議案を提出した米国のヘイリー国連大使は採決後、「この決議は北朝鮮がさらなる反抗的な態度をとった際には、さらなる懲罰と孤立を招くという明確なメッセージを送るものだ」と強調した。12月の議長を務めた日本の別所浩郎大使も会合後の記者会見で「非常に強い国際社会の意思を示せた」と胸を張った。日本は12月末に安保理の非常任理事国としての役割を終える。

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