2018年10月23日(火)

大飯2基 廃炉決定 安全対策費重く、エネ計画に逆風

2017/12/22 23:13
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関西電力は22日、大飯原子力発電所1、2号機(福井県)の廃炉を決めた。再稼働に必要な安全対策費が重く自由化による販売減少で発電能力の余剰感も強いためだ。政府は原発を基幹電源と位置付けるが電力会社の経営判断で大型原発でも廃炉に踏み切る時代を迎える。

関西電力大飯原発の1号機(右)と2号機(福井県おおい町)

「技術的な観点から検討を重ねたが残念ながら廃炉にすることにした」。岩根茂樹社長は同日の記者会見で語った。

廃炉の主因は重い安全対策費だ。大飯1、2号機の再稼働には1基当たり通常1千億円とされる金額を超える費用がかかるとみられる。大飯の2基は原子炉格納容器が小さい特殊な構造で、費用が大幅に膨らむ。

需要減も決断を後押しした。関電の2016年度の販売電力量は東日本大震災前に比べ2割減。節電の定着に加え電力小売り自由化で新規参入者への顧客流出が続く。電力供給に支障が出ない。

原子力規制委員会は東京電力福島第1原発以外で計6基の廃炉を認可したが、いずれも出力30万~50万キロワット台の小型原発。今回のように100万キロワット超の大型も廃炉にする動きは震災後の環境激変により、電力会社が原発を厳しく判断せざるをえない状況を映す。

経済産業省の15年時点の試算では原発の1キロワット時の発電コストは10.1円。安全対策強化で震災前の8.9円から上昇したが石炭火力(12.3円)、水力(11円)より安い。関電の岩根社長も「経済性や地球環境を考えれば、原子力の活用は必要だ」と強調した。

しかし電力会社の負担はコスト以外にもある。東電柏崎刈羽原発(新潟県)は安全審査をクリアしたが、米山隆一知事が県独自の福島事故の検証が終わるまで再稼働に向けた議論はしないとしている。四国電力伊方3号機(愛媛県)では広島高裁が運転差し止めの仮処分を決めた。司法判断で原発の運転が左右されては電力会社は経営の先行きを見通せない。

政府は現行のエネルギー基本計画で30年の発電量に占める原子力比率を20~22%とする。30基程度の原発稼働が必要だが、動いているのは4基にとどまる。新設が困難ななか、廃炉が増えれば計画達成は厳しくなる。世耕弘成経産相は22日「再稼働や稼働率の向上、一部の炉の運転延長などで達成可能だ」と述べた。

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