2018年12月19日(水)

世界のビール市場縮小止まらず 中国も3%減、クラフトへシフト進む

2017/12/21 21:00
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世界のビール市場の縮小が止まらない。キリンは21日、2016年の世界のビール総消費量が前年比0.6%減の約1億8689万キロリットルだったと発表した。前年割れは2年連続。最大の消費国である中国は3.4%減少、ブラジルやドイツなどビールの先進市場も縮小した。世界共通の「メガブランド」依存に限界が見えており、個性的なクラフトビールにシフトする動きが進みそうだ。

中国のビール市場も縮小が止まらない

中国市場はぜいたく禁止令や酒類の多様化もあって3年連続で減少した。消費量の上位では中国のほか、ブラジルが2.7%減だった。ドイツは0.5%減、ロシアは1.8%減と消費量の多い上位5カ国は米国を除き軒並み減少した。

一方で、米国は0.6%増と15年の横ばいから増加に転じた。若者を中心に個性的な味わいが特徴のクラフトビールや、価格が高めの高級ビールの需要が拡大。クラフトビールの全体に占める割合は1割を超えたとみられ、成熟した市場の伸びをけん引している。

地域別の消費量で最大のアジアでは増加する国が目立った。インドが9.9%増えたほか、ベトナムは7.4%増、韓国も1.0%増加した。中間層の拡大で今後の消費の増加も見込まれる。

数少ない有望市場とされるのがベトナムだ。同国の国営企業で現地ビール最大手サイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)の株式売却では、キリンホールディングスアサヒグループホールディングスが応札に関心を示していたが、費用高騰で応札を見送った。

市場の成長が期待できない中、ビール各社はメガブランドに依存しない新たな戦略が求められる。一つがクラフトビール市場の開拓だ。

キリンビールは14年、国内のクラフト最大手で「よなよなエール」を手掛けるヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)と資本・業務提携。16年には米クラフトメーカーのブルックリン・ブルワリー(ニューヨーク州)とも資本・業務提携した。

キリンは18年春から、日本国内でクラフトビールの専用サーバー「タップ・マルシェ」を全国展開する計画だ。同サーバーでクラフトメーカーの個性的なビールを幅広く供給し、若者らの需要を掘り起こす戦略だ。

一方、アサヒはビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)から計1兆2千億円をかけて、欧州の高級ビール事業を相次ぎ買収している。

インベブから買収した欧州の高級ビール「ペローニ」「ピルスナーウルケル」と主力の「スーパードライ」を加えた3ブランドを柱に、高採算な高級ビールの国際展開を進める考えだ。

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