2018年11月14日(水)

黒田総裁、金融緩和「景気よくても続ける」

2017/12/21 16:45
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日銀の黒田東彦総裁は20~21日に開いた金融政策決定会合後の記者会見で国内景気について「着実な経済の回復が2018年も続いていく」と強調した。金融緩和の出口に関しては「景気がいいからそろそろということではない」と述べた。景気が良くても、物価上昇率が安定的に2%を超えるまで、現行の大規模な金融緩和策を継続する方針を改めて示した。

世界経済の成長に支えられて輸出が増加基調にあるほか、設備投資や個人消費などの内需も堅調だ。黒田総裁は設備投資について「企業収益や業況感が改善するなかで増加傾向を続けている」と述べ、10月の前回会合から判断を上方修正した。

7~9月の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で2.5%増と7四半期連続のプラス成長だった。景気の先行きについて、黒田総裁は「企業・家計の両部門において、所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する」として、緩やかな拡大が続くとの見通しを示した。

日銀は生鮮食品を除く消費者物価の前年比上昇率が安定的に2%を超えることを目指すが、10月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合で、前年同月比0.8%の上昇にとどまる。

黒田総裁は物価について需給の引き締まりや人々の物価上昇への期待が高まり、「プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていく」との見方を改めて示した。金融政策に関しては「デフレの状況ではなくなったが、(物価目標には)かなりの距離があるので引き続き粘り強く金融緩和政策を続けていく」とした。そのうえで「あくまでも物価目標が達成されるかどうかとの関連で見ていく」と景気回復を理由とした見直しに否定的な見方を示した。

金融緩和で金利を下げすぎると金融仲介機能が阻害され、緩和効果が反転する「リバーサル・レート」論について、「日本の金融仲介機能に現段階で問題が生じていることはない」と強調した。

理由として金融機関が充実した資本基盤を備えていることや信用コストが低下していることを挙げた。リバーサル・レートは黒田総裁が11月の講演で言及し、国内外の市場関係者の注目を集めた。そのことに関して、「長短金利操作の変更が必要だということは意味していない」と述べた。

黒田総裁の任期は18年4月に切れる。日銀総裁に必要な資質について問われると、「(総裁は)国会の同意を得て内閣が任命するもので、私から色々言うのは適切ではない」と述べるにとどめた。

日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れへの懸念について「金融的な行き過ぎが起こっているとか、バブルが起きているという状況ではない」と強調した。

乱高下を繰り返している仮想通貨のビットコインについて「支払い決済手段ではなくて、金融的投機の対象になっている」と指摘した。価格高騰に関しては「グラフを描いてみると異常な高騰であるということは事実だ」と述べた。

物価上昇のカギを握る賃金にかかわる18年の春季労使交渉に関しては「日銀としても経済環境を生かして労使双方で前向きな取り組みが広がることを期待する」と話した。春季労使交渉を巡っては、連合が基本給を一律に上げるベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせ、月給を4%程度増やすよう要求することを決めた。経団連は月給の3%引き上げを企業に求める方向だ。

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