萩原朔太郎の新発見書簡、前橋文学館に

2017/12/21 22:00
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前橋出身の詩人、萩原朔太郎(1886~1942)が書いた新たな書簡2通が見つかった。2通とも岡山県出身の詩人、正富汪洋(1881~1967)に送ったもの。当時の詩壇に対する朔太郎の見方が率直に述べられており、朔太郎研究の基礎資料として価値が高いという。

既存の詩壇に対する率直な批判がつづられた萩原朔太郎の新発見書簡

都内古書店の目録に掲載されたものを前橋市が購入した。正富は1918年に自らが創刊した同人誌に朔太郎の寄稿を依頼、そこから書簡のやりとりが始まったとみられる。「党派的の排他感情が強すぎる」「詩人ぶった神秘主義がいやなのです」などと記されている。前橋文学館が所蔵する同時期の朔太郎書簡と、独自の誤字やくせ字の一致が多く見られる。

書簡が書かれた18年は朔太郎が初の詩集「月に吠える」を刊行し、絶賛された直後だが、前橋文学館の萩原朔美館長は「既存の詩壇に対する怒りが激しく出ている。朔太郎のように新しいことをやり続ける詩人には、(周囲からの)反動があるのだろう」と分析する。

前橋市はこのほか、朔太郎が自らの著書の編集者に宛てた書簡1通と、朔太郎の評論が掲載された雑誌「没落時代」の創刊号を入手。いずれも存在は知られていたが全集には未収録だった。

正富あて書簡2通は前橋文学館で2018年1月30日まで、他の2点の資料は2~3月に前橋文学館の常設展示室で公開する。萩原館長は「今後は常設展示でも新しい資料を随時公開していきたい」と話している。

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