2019年1月22日(火)

中国が融資の伸び圧縮 18年方針、金融リスクを抑制

2017/12/21 0:30
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【北京=原田逸策】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は20日、2018年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」を終えた。会議は18年の銀行貸し出しや企業の資金調達の伸びを圧縮する方針を示し、金融リスクを抑える姿勢を打ち出した。インフラ投資など大規模な財政出動も見送る公算で、金融、財政の両面で経済成長率を下押ししそう。高まる米国との貿易摩擦を意識して輸入拡大も掲げた。

中国の「中央経済工作会議」は銀行貸し出しや企業の資金調達の伸びを圧縮する方針を示した

中国の「中央経済工作会議」は銀行貸し出しや企業の資金調達の伸びを圧縮する方針を示した

会議は18日から3日間開いた。通常はその年の1年間の経済運営を分析するが、今回は習氏2期目で初の開催となるため、1期目の5年間の経済運営を振り返った。「世界経済の成長の主要な動力源と安定器になった」などと自賛。5年の経験を「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義経済思想」と位置づけ「長期に堅持する」とした。

金融政策は「穏健な金融政策を中立に保つ」とし、16年の「金融政策は穏健中立を保つ」から微妙に表現が変わった。

今回は「貸し出しと社会融資規模(企業や個人の資金調達総額)の合理的な伸びを保つ」との表現を新たに加えた。銀行貸し出しや銀行を迂回した融資は高い伸びが続いており、伸び率を圧縮する方針を示唆したとみられる。銀行など金融機関への窓口指導を強めるとみられる。

1期目は国有企業や地方政府など借り手に着目し、債務削減を促してきたが効果があまりなかったため、貸し手の金融機関を締めつける方針に転換した可能性がある。マネーの蛇口を絞ることで債務削減につなげ、金融システム危機の発生を防ぐ考えとみられる。

財政政策は「積極的な方向は変わらない」とした。16年は「さらに積極的」との表現だったため、財政の景気下支えは弱まるもようだ。共産党大会に向けて拡大したインフラ投資の伸びは18年に鈍る可能性がある。

金融、財政ともに下支えが弱まれば、成長率も下がる可能性がある。17年の成長率は通年で6.8%前後の見通しだが、政府系の中国社会科学院は20日、18年の成長率を6.7%と予測した。

会議は18年の経済成長目標を公表しなかったが、17年と同じ「6.5%前後」との見方が多い。会議も「質の高い発展が、経済政策づくりやマクロ経済運営で根本的な要求となる」とし「成長第一」と一線を画した。

18年のリスクの一つに対米貿易摩擦の激化がある。米国は反不当廉売(ダンピング)課税などで中国を揺さぶっている。会議は「貿易の均衡を促進し、輸出の質と付加価値に注目し、積極的に輸入を拡大し、一部の製品の輸入関税を下げる」とした。すでに17年12月から乳児用おむつや粉ミルクの関税を下げており、18年はさらに関税下げが広がる見込み。輸入拡大で米国の批判をかわす狙いがありそうだ。

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