2018年6月24日(日)

群馬大、父方ミトコンドリア消去の仕組み解明

2017/12/20 22:00
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 群馬大学生体調節研究所の研究グループは、細胞内でエネルギー生産にかかわるミトコンドリアのDNAが、母方の遺伝子だけ引き継ぐ仕組みを発見した。特定のタンパク質の働きによって、父親由来のミトコンドリアが「オートファジー」と呼ぶ自食作用で消去される。ミトコンドリアDNAの異常が関連するパーキンソン病などの治療につながる可能性がある。

 同研究所の佐藤健教授、佐藤美由紀准教授らの研究で、英科学誌「ネイチャー セル バイオロジー」に掲載された。父親由来のミトコンドリアが受精後にオートファジーで選択的に消去されることは2011年に同研究所が線虫を使った研究で発見していたが、この作用に「IKKE―1」「ALLO―1」と呼ぶ特定のタンパク質が関わっていることを確かめた。

 この2種類の分子が受精後の早いタイミングで父親由来のミトコンドリア上に集積し、オートファジーを制御する因子を呼び寄せる。「IKKE―1」とほぼ同じ構造の酵素は哺乳類にも存在し、細菌などに感染した際の免疫に関わっていることが知られている。

 ミトコンドリアの異常はアルツハイマー病、パーキンソン病などの神経変性疾患や遺伝性糖尿病に関わっているほか、がんや老化との関連も疑われている。今回の研究を基に不良なミトコンドリアを選択的に消去する手法を究明することで、こうした疾患の治療法確立につながる可能性があるという。

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