元日馬富士の暴行事件を受け、日本相撲協会の危機管理委員会が20日公表した調査結果報告書では、当事者の力士らの詳細なやり取りや暴行の実態が明らかになった。
■事件の伏線
9月場所中の深夜、貴ノ岩は東京・錦糸町のカラオケバーを訪れた。この際、休場中のモンゴル出身力士が飲酒する場面に遭遇。貴ノ岩が厳しく叱責したところ、同行していた白鵬のモンゴル人の友人と口論になった。
この友人は後日、白鵬に当時のやり取りを告げるとともに、貴ノ岩が「俺は1月場所で横綱にも勝っている」「これからは俺たちの時代だ」と話していたことを伝えた。
■事件当日の食事会(1次会)
鳥取巡業を控えた10月25日夜、地元の高校関係者と白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱、同校OBの照ノ富士、貴ノ岩、石浦の関取衆3人を含む計13人が参加する食事会が開かれた。食事会は3時間以上続き、日馬富士の飲酒量は、ビール中ジョッキ2杯くらい、日本酒を升で10杯程度だったが、酩酊(めいてい)するほどではなかった。
食事会の終盤、白鵬が貴ノ岩に9月場所中の件に触れ、「だいぶん偉そうだったそうじゃないか。これからは俺たちの時代だと言ったそうじゃないか」とモンゴル語でとがめた。貴ノ岩はこれを否定し、日馬富士が間に入ってかばったため、その場は収まった。ただいずれもモンゴル語だったこともあり、同席した日本人には内容が理解ができなかった。
■2次会で暴行、ビール瓶はなし
25日午後11時過ぎから翌26日午前2時ごろまで、高校関係者のなじみのラウンジの個室で2次会が開かれた。貴ノ岩、日馬富士、白鵬、鶴竜、照ノ富士、石浦の順に、壁沿いにL字に設置されたソファに座った。ビールはグラスに注がれた状態で提供され、ビール瓶は席に置かれていなかった。
乾杯後しばらくして、白鵬が貴ノ岩と照ノ富士に「みんなが見ているから、自分の行動に気を付けなくてはいけない」「おまえたちがこうして相撲を取って生活していけるのも、ここにいる先生方のおかげだ。その恩を忘れずに、社会人としてきちんとした生活をしていきなさい」などと説教。鶴竜には「おまえがそもそも厳しく言ってやらないと駄目だろう」と指導不足を叱責した。
■スマホいじりに激高
白鵬の説教が一段落したと考えた貴ノ岩がスマートフォン(スマホ)の操作を開始。日馬富士がこれを見とがめ、「おまえ、大横綱が話をしているときに何で携帯をいじっているんだ。おかしいじゃないか」とモンゴル語で問いただした。貴ノ岩は「いじってないです」といったん否定したが、すぐに「友達からLINE(対話アプリ)が来たんで」とスマホを操作したことを認めた。日馬富士は「それが大事なのか。誰なんだ」「それは男か女か」と追及。貴ノ岩は「彼女です」と答えた。
立腹した日馬富士は素手で貴ノ岩の顔を1回たたいた。貴ノ岩は謝罪したが、日馬富士には貴ノ岩がにらみ付けるような表情をしたように見えたため、「なぜ、こんな態度を取るんだ。おまえのことをさっきは守ってやったじゃないか。おまえは横綱をなめているのか」「こら、おまえは何様なんだ」と、断続的に素手で頭部や顔面をたたいた。シャンパンのボトルを持ち上げて殴るふりをしようとしたところ、手が滑って貴ノ岩に当たることなく床に落ちた。
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