2018年6月22日(金)

患者死亡、元看護助手の再審を決定 大阪高裁

2017/12/20 14:04 (2017/12/20 19:36更新)
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 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、巡回中に男性患者(当時72)の人工呼吸器を外して殺害したとして殺人罪に問われ、懲役12年が確定、服役を終えた元看護助手、西山美香さん(37)が裁判のやり直しを求めた第2次再審請求の即時抗告審が20日、大阪高裁であった。後藤真理子裁判長は「自然死した合理的な疑いがある」として再審開始の決定をした。

再審開始の決定が出され、笑顔を見せる西山美香さん(右から2人目、20日午後、大阪高裁前)=淡嶋健人撮影

再審開始の決定が出され、笑顔を見せる西山美香さん(右から2人目、20日午後、大阪高裁前)=淡嶋健人撮影

 有力な目撃証言や物的証拠が乏しく、男性の死因や自白の信用性が争点になった。後藤裁判長は決定理由で、死因について司法解剖のデータなどに基づき「致死性の不整脈だった可能性は排除できない」と指摘した。

 そのうえで捜査段階での西山さんによる自白を検討。取り調べ担当の警察官や検察官の誘導に迎合した疑いがあり、虚偽の供述だった可能性があるとし「自白だけで呼吸器が外れて死亡したと認定できるほど信用性が高いとはいえない」と結論付けた。

 男性患者は03年5月、病室のベッドで心肺停止状態で発見された後に死亡。西山さんは任意の捜査で「呼吸器のチューブを外し、患者を殺した」と供述し、滋賀県警は04年7月、西山さんを殺人容疑で逮捕した。

 公判では無罪を訴えたが、大津地裁は自白の任意性と信用性を認めて懲役12年を言い渡し、07年に最高裁で確定。17年8月に服役を終えた。

 弁護側は10年、「自白は取調官に誘導された虚偽の自白だった」として再審請求したが、地裁から最高裁まで全て退けられた。12年に申し立てた2度目の再審請求では、確定判決で「酸素が供給されなくなったため」と認定した死因について「致死性の不整脈の可能性がある」などと主張したが、大津地裁が棄却し、西山さん側が即時抗告していた。

 大阪高検の田辺泰弘次席検事は「検察官の主張が認められず、即時抗告が認められたのは遺憾。決定の内容を十分に検討し、適切に対応したい」とコメントした。

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