新素材CNF、スピーカー振動板や消臭剤で実用化

2017/12/20 18:00
保存
共有
印刷
その他

日経テクノロジーオンライン

スギノマシン(富山県魚津市)は、同社のセルロースナノファイバー(CNF)「BiNFi-s」がフォスター電機の車載用スピーカーと、シナネンゼオミック(名古屋市)の抗菌・消臭剤で実用化されたと発表した。前者では振動板の強度向上などを目的に、後者では銀(Ag)や銅(Cu)を分散させるために使われる。

同社のCNFは、セルロース・キチン・キトサンをウオータージェット技術で加工したもので、直径は約20nm(ナノメートル)、長さは数μm(マイクロメートル)。ナノファイバー化によって比表面積が100倍以上増え、親水性が高まる。高強度や低熱膨張性を備えることから補強材として使える他、繊維が極めて細いため、透明度の高い複合材料の開発も期待できるという。

CNFをスピーカーの振動板の材料である樹脂に混ぜることで、軽さと剛性を両立できる。その上、振動が細かくなるため「高音がきれいに出る」(スギノマシン)。CNFは内部損失が高く、振動が「ぴたっと止まる」(同社)ので、残響の少ないクリアな音質が得られるとする。

フォスター電機の車載用スピーカー。振動板にスギノマシンのCNFを採用した

フォスター電機の車載用スピーカー。振動板にスギノマシンのCNFを採用した

消臭剤に用いた場合、水中に混合されたAgやCuが沈殿しにくくなる。これは、CNFの水素結合にAgやCuの粒子が引っかかるため。この性質を得るためにCNFには長くて細いことが求められるが、一般にCNFを細くすると長さ方向に分断されやすい。それに対してスギノマシンは、解繊方式でCNFを製造。繊維を割くイメージで造ることにより、細さと長さを両立できるとする。

シナネンゼオミックの消臭剤。時間が経過してもAgやCuが沈殿しにくい。Cu-ゼオライトの1質量%に対し、CNFは4質量%の濃度で混合されている

シナネンゼオミックの消臭剤。時間が経過してもAgやCuが沈殿しにくい。Cu-ゼオライトの1質量%に対し、CNFは4質量%の濃度で混合されている

いずれの製品も、発売時期は未定。この他に、再生医療や製紙、繊維、ガラスといった分野でCNFの採用が検討されているという。

(日経テクノロジーオンライン 松田千穂)

[日経テクノロジーオンライン 2017年12月19日掲載]

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]