日朝貿易へ「用意ある」 中曽根首相、中国に提起 韓国の国交樹立要望伝達 86年会談、外交文書

2017/12/20 10:00
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中曽根康弘首相が1986年11月に訪中して中国共産党の胡耀邦総書記と会談した際、中国との国交樹立を希望する韓国の意向を伝えていたことが、20日公開の外交文書で明らかになった。橋渡し役を果たそうとすると同時に、日本と国交がない北朝鮮との貿易に向けても「用意がある」と表明し協力を求め、中韓と日朝の同時並行的な関係改善を提起した。胡氏は、いずれの提案にも、希望に沿えないとの考えを示した。

一連のやりとりからは首脳間の信頼関係を土台に、日本が朝鮮半島の平和実現に向け、独自外交を展開しようとした軌跡が浮かび上がる。一部の事実は共同通信が当時「中韓橋渡しは不首尾に」などと報じていた。

日中首脳会談は86年11月8日、北京の人民大会堂で行われた。9日付極秘公電によると、中曽根氏は「韓国首脳から『中国との国交、それに至らぬとしても、交流を拡大するよう希望していると伝えてほしい』と言われた」と述べた。中韓の貿易や通商代表部の相互設置という希望も伝達。さらに、中韓貿易などの枠組みが整うなら「日朝間も、同様のことを行う用意がある」と明言した。

胡氏は、日朝の提案に関し実現は難しいとの認識を示した。ただ「北朝鮮に漏らし、感触を聞いてみる」と努力する姿勢を見せた。韓国首脳の意向については「対中改善の願望は良いものだ」としつつ「(中国が了承するには)北朝鮮や他の社会主義国にも受け入れられなければならない」といった言い方で断った。

中曽根氏は韓国が米中朝との4者会談を望んでいるとも伝えた。胡氏は、南北が友好的な対話を通じ、緩やかな連邦制をとる必要があるとの見方を語った。中国として米朝韓の対話を働き掛けたものの北朝鮮が中国提案に「怒った」とする機微な情報も漏らし、北朝鮮に手を焼いている様子を見せた。

胡氏は内政面でも、最高機密に当たる中国共産党人事に関して翌87年の共産党大会で「年寄りを引退させる」と打ち明けた。対外関係では「共通の言葉が欠けている」とソ連を批判。東ドイツのホーネッカー国家評議会議長が中国要人との会談で「ソ連は北方領土を返すべきだ」と発言したとの情報も提供した。

中曽根氏は87年1月に東ドイツでホーネッカー氏と会談している。〔共同〕

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