リニア談合、大成建設 大林組にトンネル工事の受注断念を要求

2017/12/20 2:00
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リニア中央新幹線の建設工事をめぐる入札談合事件で、大成建設側が大林組側に「南アルプストンネル」の受注を断念するよう求めていたことが19日、関係者への取材で分かった。実際に同トンネルは大成建設と鹿島が受注した。東京地検特捜部と公正取引委員会は受注調整が行われた疑いがあるとみて入札の経緯を調べている。

家宅捜索のため大成建設本社が入るビルに向かう東京地検特捜部の係官ら(19日午前、東京都新宿区)

家宅捜索のため大成建設本社が入るビルに向かう東京地検特捜部の係官ら(19日午前、東京都新宿区)

特捜部と公取委は18日の清水建設と鹿島に次いで、19日は大成建設と大林組を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜索した。これにより大手ゼネコン4社すべてに同法違反容疑で捜索が入り、特捜部などは受注調整の全容解明を急ぐ。

関係者によると、大林組の担当者は大成建設の担当者と面会した際、南アルプストンネルは大成建設と鹿島が受注を目指しているとの意向を伝えられ、入札を見送るように求められたという。

同トンネルは山梨、長野、静岡の3県にまたがる全長約25キロの山岳工事。最終的に工区は分割され、大成建設が山梨工区と静岡工区、鹿島が長野工区をそれぞれ受注し、大林組を除く2社で分け合う形となっている。

リニアのトンネル工事10件のうち7件は鹿島、大成建設、清水建設の3社で2~3件ずつ受注している。特捜部はトンネル工事の大半で受注調整が行われた疑いがあるとみて調べている。

関係者によると、トンネル工事は多くの作業を大型機械で行うため、ほかの建設工事に比べて人件費の割合が低く利益率が高いという。工事費も巨額で百数十億~数百億円規模とみられる。

一方、大林組が課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき、公取委に大手4社による受注調整を自主申告したのは12月上旬に特捜部が偽計業務妨害容疑で捜索した後だった。2006年導入の課徴金減免制度は、企業が入札談合などの違反行為を公取委に自主申告した際に課徴金を減免する。公取委の調査開始前に1番目に申告した企業は課徴金を全額免除され、刑事告発を免れる。2番目は50%、3~5番目は30%が減額されるが、刑事告発の免除はない。

独禁法に詳しい山田晃久弁護士は「法令順守の観点も踏まえ、大林組は自主申告した可能性がある。仮に同社が1番目なら独禁法違反容疑での刑事告発を免れるが、偽計業務妨害で立件される可能性は残っている」と指摘している。

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