アニメ先生が個別指導 すららネット、教育格差に挑む

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2017/12/20 6:30
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オンライン学習システム「すらら」を展開するすららネットが18日に東証マザーズに上場した。すららはアニメーションを使って学ぶオンライン教材。独自のアルゴリズムで個人に合わせた問題を出し、ゲーム感覚で子供の学力を底上げする。「教育格差の解消」を目標に掲げる湯野川孝彦社長(57)のもと、すららの輪は低所得層や東南アジアにも広がっている。

■東南アジアでも展開

すららの授業を受けるインドネシアの小学生(西ジャワ州バンドン市)

すららの授業を受けるインドネシアの小学生(西ジャワ州バンドン市)

インドネシア・ジャワ島西部のバンドン市。国立インドネシア教育大学付属小学校ブミ校の一室には30台のPCが並び、300人の生徒が週3回「Surala Ninja!」で学ぶ。従来の授業では生徒が歩き回り勉強に集中しないこともあった。2016年に算数の授業ですららを導入してからは「生徒たちが算数が好きになり計算力も飛躍的に上がった」(イマム校長)という。

アニメのキャラクターが先生役。勉強するほどレベルアップするなどゲーム感覚が特徴だ。オンライン学習は一般的に、授業を受ける「レクチャー型」と問題に回答する「ドリル型」があるが、すららは両方の機能を備える。

個人に適応する教材を目指し、子供の「つまずきポイント」を認識する独自のアルゴリズムで特許を取得。先生や保護者は学習の進捗や子供の弱点を把握し、次の学習プランづくりに生かす。海外では算数、日本では小学生から高校生までの英国数に対応する。

これまで国内125の学校と約550の塾が導入。近畿大学付属中学校(大阪府東大阪市)や函館白百合学園中学高等学校(北海道函館市)、野球が強い広陵高等学校(広島市)などの有名校も導入している。東京立正中学校・高等学校(東京・杉並)では、高校1年生のアドバンスクラスで偏差値50以上の生徒の比率が半年間で1.85倍になったという。

湯野川氏が特に力を入れるのが、勉強が不得意な子供の学力向上だ。勉強の得意な子は塾に行って自分で成績を上げていける。一方で低学力の子には個別指導が大切だ。ところが学校は人員不足で丁寧な対応が難しく、大学生アルバイトが中心の個別指導塾は講師の質にばらつきがある。すららはそこに目を付けた。

「経済格差から学力格差が広がっている。中レベル以下の子供の学力をデジタルの力で底上げしたい」。熱っぽく語る湯野川氏の視線は低所得層や不登校、発達障害・学習障害の子供にも向く。

様々な事情から勉強に難しさを感じてる子供たちがNPOや自宅学習を通じてすららで学習できるよう、取り組みを広げる。教材の料金は学校や塾がすららに支払うが、低所得層向けのNPOには特別な料金設定にしているという。

2014年に国際協力機構(JICA)の事業に採択されたのを機に海外展開も開始。JICA事業終了後も継続し、現在スリランカで貧困層向けの塾など17校、インドネシアで5校に提供。昨年インドにも進出した。

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