Wi-Fi端末92万台感染も IoT狙うサイバー攻撃
情報通信研究機構(NICT)は19日、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器を狙うサイバー攻撃が日本国内で急増していると発表した。昨秋に猛威を振るった「ミライ」と呼ばれるコンピューターウイルスを改変した亜種が活動しているという。
ミライはIoT機器から別のIoT機器へ自動的に感染を拡大する機能を持つ。NICTによると、感染したIoT機器から感染可能な別のIoT機器を探索する通信が10月31日から急増している。12月18日にはNICTのネット観測装置に対して、国内の1万5000カ所から新たな感染先を探す通信が届いた。通信が急増する前の50倍以上の水準だ。
機構によると、発信源の多くはパソコン周辺機器を製造するロジテック(東京・千代田)が2009年8月~16年2月に販売した「Wi-Fi(ワイファイ)ルーター」11機種とみられる。ネット通信機能を持つ防犯カメラや録画機など周辺のIoT機器にウイルスを拡散する可能性がある。
該当する11機種は感染の原因となる欠陥を抱えている。ロジテックによると国内向けに合計92万台を出荷した。同社は「欠陥を修正した最新のソフトウエアをダウンロードしてほしい」と呼びかけている。
ミライに感染すると特定のサーバーにデータを送るよう遠隔から指令を受けるようになる。1カ所に一斉にデータを送りつけサーバーをパンクさせる「DDoS攻撃」に悪用される恐れがある。
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