2019年8月19日(月)

リニア不正捜査 「課徴金減免制度」で見える化?

2017/12/19 15:54
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リニア中央新幹線の建設工事をめぐる入札談合事件で、東京地検特捜部の調べに対し大林組が大手ゼネコン4社による受注調整を認めていることが分かった。公正取引委員会には独禁法違反を自主申告したもよう。背景には「課徴金減免制度」(リーニエンシー)があるとみられる。どのような制度なのか。

リーニエンシーとは、カルテルや談合に関与した企業が公取委に「自首」した場合に、課徴金を減額する制度だ。対象は早い者順で最大5社、公取委の調査開始以降は3社まで。減額率は最も早く報告した企業が100%、2位が50%、3~5位が30%。調査開始後は一律30%となっている。

欧米の独禁捜査で成果を上げていることを受け、日本では2006年に導入された。既に11年が経過し、関係者の間では習熟された運用がなされている。同制度による公取委への「自首」は16年度は124件だった。

カルテルや談合が発覚しそうになった局面で「自首競争」となるため、イモずる式に不正が暴かれ、結果として課徴金命令を受ける企業の数が増えるケースもある。例えば東日本大震災で被災した東北地方の高速道路の復旧工事を巡る談合では、公取委が16年9月にNIPPO前田道路日本道路など11社に総額14億円の課徴金納付を命じた。世紀東急工業はリーニエンシーで全額免除となった。

コンデンサーの価格カルテルでは、公取委は16年3月、ニチコン日本ケミコンなど5社に総額67億円を課し、日立エーアイシーなどは免除した。

自首の遅れで企業の経営陣が負うリスクも指摘さてれいる。05年から10年にかけて起きた光ケーブルや電線などを巡るカルテルでは、住友電気工業が計88億円の課徴金を納付。経営陣がリーニエンシーを活用せず会社に損害を与えたとして、株主代表訴訟が起こされた。14年に和解が成立したが、当時の経営陣22人は約5億2000万円の解決金を会社に支払うことになった。

(石塚史人)

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