教育投資の優先順位を考える(7) 保育は定員、小中は質に課題
赤林英夫 慶応義塾大学教授
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幼児教育への投資は収益率が高いと主張したヘックマン氏が主な根拠にしたのは、50年前の米国で教育機会に恵まれない就学前の子どもに質の高い教育を施したときの高い効果です。就学前教育の普及が遅れている米国では、4歳で何らか幼児教育施設に通っている比率は、2014年でも68%にすぎません。
一方、日本では有償でも4~5歳児の95%が幼児教育施設に在籍しています。全面無償化で保護者の負担を税金で肩代わりして...
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